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父親からの性的虐待で逝った女性「佑月(仮名)」の場合。part5

父親からの性的虐待を受けて育った佑月の家に、父と兄から性的虐待を受けて育った咲月が転がりこんできて、二人の共同生活は始まった。
前回、守ってくれるべき同性の親である母親からは、助けてもらうことは叶えられず、逆にいじめられて失意の子供時代をおくった佑月の事を書いた。
今回は、咲月の母親の人生について書いていこうと思う。
職場恋愛で結婚した、咲月の母親は、ただただ、子供を甘やかすだけの子育てしか出来なかった。
長男は、父親に似て傍若無人に育ち、妹である咲月を支配したが、それに対して母親は何も言えなかった。そして、母親自身も毎晩のように夫にネチネチと小言を言われる日々を送っていた。その後、母親は、自宅とは別の場所に「◯◯教室」という塾を開き、夕方以降夜遅くなるまで家の中に母親のいない空白の時間が生まれた。
消防士である父親は、夜勤明けにたっぷりと睡眠を取り夜に備える。そうして、母親のいない時間に、息子と二人で咲月の身体をもてあそぶのだ。
母親は、無力で助けにならないどころか、その現場から逃げ出した。
佑月も咲月も確かに実行犯である父親や兄は憎いに決まっているが、一番絶望したのは同性の親である母親が助けてくれないだけでなく、犯罪の片棒を担ぐような行いをしたことだった。娘の危機から母親は自分だけ逃げた。母親は、ガン治療を拒否して苦しみながら死んだ。咲月の味わった苦しみ、痛みを自分で受け止めながら死んでいくのは、地獄の苦しみだったはずだ。そこまでして母親は「近親相姦」という罪を隠蔽したのだ。
残された夫は、さっさとw不倫関係にあった近所の女性と再婚した。誰も得をしない、おぞましい秘密だけが残った犬死だった。

佑月のもとに居候している咲月の夫が迎えに来たので、彼女の痛みや苦しみに寄り添って欲しいと、子供時代の辛い体験を話した。その話を聞いた夫は開口一番、「俺の子供ですか?」と聞いてきた。そして、咲月の離婚はあっという間に成立した。が、これからリハビリが必要になってくるであろう咲月に対して、まだ、仕事復帰もできず、収入の途絶えた彼女のクレジットカードから、養育費としてしばらくの間、水光熱費が引き落とされた。よく、鳥が生まれて最初に見るものを親と認識すると云うが、自分勝手な父親、無力な母親のもとに誕生し、最初に見たものを真似るというのは愚かな事である。

さて、佑月の方であるがひょんなことから一緒に仕事をするようになった。その時、私は男手も必要になるだろうと、別れていた夫を呼び戻し3人で仕事を始める事にした。なぜ、男手が必要かと云うと農業分野の仕事をする事にしたからだ。
ここから、佑月は私の夫を好きになり様々な騒動が勃発する事になる。
part6に続く




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