気が付けば異性装で生きていた
梅雨の合間のよく晴れた日。今日は暑いくらいだった。
行き帰りのために薄手のカーディガンを羽織っていたけれど、日中はそれを背もたれに掛けて昨年買ったネイビーのオープンカラーの半袖シャツだけで仕事に勤しんだ。
結局退社間際まで掛けっぱなしになったカーディガンを指先で拾い上げて、「お疲れ様」とフロアに言い放つ。
そうやっていつも通りNEWERAのリュックを背負い仕事場を後にした。
リュックを背負う前に羽織ったカーディガンを、「着なくても大丈夫だったなぁ」と腕まくりしていると、閉