「光る君へ」で感じる古典の情趣
今年の大河ドラマ「光る君へ(ひかるきみへ)」の主人公は、紫式部(むらさきしきぶ)である。
時は平安。物語は、後に平安の世を謳歌する藤原道長(ふじわらのみちなが)が権勢を極めるまでが、ひとまずの流れである。紫式部は後に、藤原道長の娘にお仕えすることになる。
そんな紫式部の代表作が、「源氏物語(げんじものがたり)」である。
「光の君(ひかるのきみ)」「光源氏(ひかるげんじ)」という男が主人公の物語で、出会いと別れ、愛と憎しみが描かれる、抒情に満ちた作品である。
この「光る君へ」では、紫式部と藤原道長の、おそらくは史実としてはありえない恋模様を軸に、「源氏物語」の場面と重なりながら物語が進んでいく。
源氏物語を読んでいる人にとっては、おなじみの場面に似た場面があちこちに現れる。
それは源氏物語だけではない。枕草子(まくらのそうし)や蜻蛉日記(かげろうにっき)といった同時代の文学もまた、この「光る君へ」では引用されえている。
このように、古典文学に親しんでいれば、より一層楽しめる作品になっている。
もちろん、古典文学を全く知らずとも、見事な描写とセリフによって楽しめる作品になっているので、まずはご覧いただきたい。
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