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ちそう

いつもそこにあり
動くことはないと、考えてしまう。
空気も土も人も私もあなたも。

火山を初めてみた。
車で進んでいく道から見える植物は
一刻ごと変化していく。

背丈のあるすすきから
地表に這うように生える植物へ。
そしてそれすらも少なくなる。
土の色も変化し、赤黒く
石や岩石のみになる。
草の香りから硫黄の臭気へ。
草を撫でる風から火山山頂の吹き荒ぶ風へ。

地球の始まりが見えたなら
地球の終わりが見えたなら
こうだっただろうか。

火口から上がる煙、遠くに見える地層。
根をはる僅かな植物たち。
噴火で崩れた人間が作った橋。


私が普段生活している場所は
私にとって地球の変化を感じにくい。
しかし
この地に立ったことで
地球はまさに口を開けて呼吸をしていると
私は地球の上に立っていて
その地球はまさに生きているのであると
感じざるを得なかった。

遠くに見える山の地層は
はるか昔から重ねられてきたものであろう。

私はその地層から私に繋がる歴史を思った。
私という命を紡いでくれた人々。
その人々がいたから
私という層、がある。
私に繋がる過去の人たちがいたことで
私が生きている。
彼らが層となり
私を支えてくれているようで、
これはとても愛しい気付きであった。





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