イギリス留学の舞台はカンタベリー!学びと冒険のはじまり
大学を卒業したすぐ後、私はイギリス留学した。 10年以上も前のこと、EU離脱の話さえなかった頃の話だ。
半分学生、半分旅人、結果的にはそんな形になった。当時のイギリスは最低6か月間、現地の学校に通うと約1年間の学生ビザがとれた。学生として過ごす必要のない残りの期間を、私は旅に費やした。
最初の旅は恐る恐るからはじまった。学校に通う中で、ちょこちょこと近くに足を運ぶ程度だった。
「せっかくならもっといろんな場所にいってみたい」
そしていつしか、バックパッカーとして色んな国を旅をしていた。これら海外での経験は、今の私の糧になっている。
そんな旅の記録を、これから綴ろう。
最初の留学先、カンタベリー
私が留学先はイギリスにあるカンタベリー、ここが私のイギリス生活始まりの地だ。
私は留学前に二つ目標を掲げた。
①語学。
つまり英語を話せるようになることだ。
②宗教学。
大学では仏教学を学んだ。もちろん仏教や禅の勉学もしたが、仏教学だけでは視野が狭くなると思い、ゼミでは宗教学の先生についた。
この宗教学の先生がとてもおもしろい先生だった。
一言で宗教といっても、実際それは様々な視点がある。見方がある。一つの見え方に囚われてしまっては、物事は観察はできない。
私達が自分の目をみることができないように、自分の見える方向から見るだけでは、決して物事を観察することはできないのだ。
そしてそれにはフィールドワークが一番だ。実際に教科書で勉強するより、肌で感じて心で感じて、色んな感覚を使って学ぶ事。
私はこの先生から、多面的に観る大切さとおもしろさを教わった。仏教学ではなく、宗教学の先生だ。
だから、私は思った。仏教のみならず、様々な宗教を観てみたい。
だから私は「海外の宗教を実際この目で見てみよう」と思った。
私がイギリス生活の始まりとして、英国国教会の総本山であるカンタベリーを選んだことも、後にバックパッカーで色んな地に足を運ぶのも、その想いがあったからだと今では思う。
英国国教会総本山、カンタベリー大聖堂
さて、それではカンタベリーの町の様子を少し紹介しよう。先ほど述べたように、 カンタベリーは英国国教会の総本山であるこの大聖堂がある地だ。
1130年には町のシンボルであるこの大聖堂が建てられたそうだ。大聖堂は世界遺産にも登録され、古都として多くの観光客が訪れる人気の観光地にもなっている。
「ここなら英語の勉強もでき、英国国教会もある。 きっとイギリスのキリスト教の方とも接する機会があるだろう」
単純にそう考えるのも若い時分には無理からぬ話だろう。まぁ、そんなにうまく事が運ぶわけではないのだが。
しかし初めて観る大聖堂には圧倒された。その大きさに、でも細かさに。建物は大きいのに、ステンドグラスなど細部にわたり装飾が施されていた。
この西洋の雰囲気あふれる廊下も見てほしい。テーマパークではなく、本当に大聖堂として使用されているのだ。
とはいえ、私が入れたのはここまで。大聖堂の先にある住居スペースは立ち入り禁止。
いくら宗教の事を勉強したいと言えど、急に司祭の方に話しかける勇気なんて私にはない。せいぜい観光客として訪れるのがせいいっぱいだった。
「きっとイギリスのキリスト教の方とも接する機会があるだろう」なんて淡い期待は、この時すでになくなっていた。
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