【感想】朝倉未来 vs 平本蓮

超RIZIN.3のメインイベントで行われた朝倉未来 vs 平本蓮の試合、衝撃的な結末でした。

結果は、1R KOにより平本選手が朝倉選手を下しました。

朝倉選手はRIZINを代表するスター選手の一人で、RIZINフェザー級を牽引してきた人物です。

一方の平本選手はK-1からRIZINに移籍して朝倉選手の背中を追い続け、徐々に総合格闘家（MMAファイター）として頭角を現してきた人物です。

この2人はSNSでの言い争いを始め、およそ5年に渡る因縁があり、それがようやく清算されるというのが今回の試合でした。

この試合は通常のRIZIN MMAルールとは異なり、5分5R、各ラウンド10点方式によるラウンドマスト方式という特別ルールとなりました。

RIZINの榊原信行CEOによると、「ファンのなかで遺恨を残したくない」「2人で決着をつけてほしい」ということでこのルールとなり、勝者の平本選手には「LAST MAN STANDING（ラストマン・スタンディング）」ベルトが与えられました。

平本選手はオーソドックスとサウスポーのどちらでも闘える選手で、今回はサウスポーに構えて慎重に打撃を繰り出していたのが印象的でした。

試合開始早々はお互いがローキックを出して距離を測ったり静かな立ち上がりでしたが、1Rの2分に差し掛かろうとしたところで平本選手が上体を揺らしながら距離を詰め、タイミングを見計らって朝倉選手に左ストレートをクリーンヒットさせ、その後近い距離で左右の連打を浴びせて、いったん離れたところで最後は朝倉選手がふいに放った前手の右フックに左ストレートを合わせてそのままパウンドでKOしました。

朝倉選手はあの前手の右フックを得意としていて、見方によっては癖の一つでもあったと思います。

平本選手は今回完璧に朝倉選手対策をしていて、前手の右フックに左ストレートを合わせるという動きが着実に実行されたというのが伝わってきました。

平本選手はボクシング技術が非常に高くてストレートも綺麗に伸びて的確に連打が打てる選手なので、朝倉選手が最初に効かされた時に平本選手に首相撲をして近距離で連打を許してしまったところで勝負があったかなと思いました。

とにかく平本選手がこの試合に向けてしっかり仕上げて、朝倉選手対策を確実に遂行したなというのが感想です。

一方の朝倉選手は、試合前に「平本を打撃でKOする」というような趣旨の発言もしていて、もしかしたら今回は打撃勝負にこだわっていたのかなというふうにも感じました。

あとはYA-MAN選手とオープンフィンガーキックルールで試合してKOされてから1年も経っていないですし、その前にはフロイド・メイウェザーとボクシングマッチをしてKOされていますし、そもそもそれまでのMMAでの試合でも打撃で効かされる場面もあったりはしたので、ダメージの蓄積が凄く心配です。

朝倉選手は試合前に「平本に負けたら引退する」と発言しており、心身のダメージや年齢的なことを考えるとその選択を止めることはできないかなと個人的には思います。

今回の超RIZIN.3では、朝倉未来選手とともに初期のRIZINフェザー級を盛り上げてきた初代チャンピオンの斎藤裕選手も出場しました。

斎藤選手は平本選手と同じくK-1から移籍してきた久保優太選手と対戦し、ボディを効かされて2RにKO負けを喫しました。

今回の大会は、RIZINフェザー級を作ってきた朝倉選手と斎藤選手がともにKOで負けるという衝撃的、そして時代の移り変わりを予感させる大会となりました。

【マニー・パッキャオ vs 安保瑠輝也】

この大会のセミではマニー・パッキャオ vs 安保瑠輝也が行われました。

この試合は純粋に技術の攻防を楽しめました。

パッキャオはボクシングでメジャータイトルの6階級を制覇しており、言わずと知れたボクシング界のスーパースターでレジェンドです。

そのパッキャオに対して、元K-1スーパーライト級王者の安保選手が3分3Rのボクシングルールで挑んだというのが今回の一戦です。

結果は3分3Rで決着がつかず、判定なしのドローとなりました。

安保選手の仕上がりが非常によくて、見ごたえのある試合となりました。

安保選手の身長は180cm、一方のパッキャオは166cmで両者には14cmの身長差があり、通常体重も安保選手の方が重く、両者が向かい合った時には体格差を感じました。

安保選手の仕上がりが凄く良い反面、パッキャオにはややキレがないかなと思う部分もありましたが、3Rには両者が近距離でコンビネーションを繰り出して激しい攻防を見ることができ、エキシビションマッチとして楽しめました。

動きにやや精彩を欠いたように感じたパッキャオですが、遠い間合いから一気に距離を詰めるスピードが非常に速くてストレートやアッパーを打つタイミングも抜群で、伝説のボクサーの片鱗を見ることができました。

超RIZIN.3では、それ以外にもYA-MAN選手や所英男選手の劇的なKO勝ちなど、見ごたえのある試合が多くありました。

以上、朝倉未来 vs 平本蓮の試合や超RIZIN.3全体の感想でした。

YouTubeにも動画を投稿したのでぜひご覧ください🙇