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ケニア

 ケニアに行ったという話をする機会が多々ある。休学していたという話をして、何していたのかと聞かれ、前半は岩手に行き、後半はケニアに行っていたと答え、そのままケニアの話になるのだ。そして、ケニアに行ったという話をすると、なぜかそれだけで評価してもらえる。ありがたい話だ。40代、50代くらいの人と話すと、「若いうちにアフリカに行っておいた方がいい。いい経験をしたね」と言ってもらうことが多々ある。また、同世代の人からは、「アフリカに一人でいってすごい」と言ってもらえたことがある。ありがたい話だ。他にも、ケニアの話に興味を持ってもらえたり、インスタのストーリー投稿が面白かったと言ってもらえることがある。これもまた、嬉しいし、ありがたい。
 その一方で、一つの疑問が浮かぶ。それは、「みんなにとってケニアとは何だろうか」、あるいは、「みんなにとって、アフリカとは何だろうか」ということだ。少し話がそれるが、大学1回生の頃に、「中国韓国はいつでも行けるけど、もっと遠くの国は学生時代じゃないといけない」という話を聞いたことがある。確かにそうだと思った。最近、インスタを見ていると、よく韓国に旅行に行く投稿を見かけることがある。また、海外旅行ツアーやバックパッカーの日記のようなものを見ると、東南アジアやヨーロッパに関するものが多い。ここから、言えることとして、多くの日本人は、海外に行く場合、欧米やアジアに行くことが多いということだ。実際に統計は取っていないが、これは正しいという自信がある。一方で、アフリカに行く人は少ないようだ。アフリカ地域は、海外に行きたいという意欲が強く、よく知らない場所に平気で飛び込める人が行く場所なのかもしれない。多くの人にとって、アフリカに行くことは、そこそこ珍しいことのようだ。
 では、なぜ、多くの日本人はアフリカに行かないのか。理由は定かでないが、個人的には、距離と費用が要因であると予測している。アフリカは遠い。ゆえに、もともと行く人が少なく、情報も少ない。さらに、渡航費が高いため、わざわざよく知らない地域に行こうと思わない。このような形で日本人はアフリカに行かないのではないかと考えている。
 ところで、なぜ、このような話をするのかというと、周りの人の認識に対して、少しモヤモヤしている部分があるからだ。ケニアについて考えるときに、多くの人が、「ケニアは日本より遅れている」という感覚で考えているのではないかと思う。そもそも、世界の違いを考えるとき、進んでいる、遅れているという見方をするのはおかしいと思うが、それはともかくとして、ケニアに対する認識がずれているように思う。ケニアに行く前、父親に、「海外行きたければ、もっと先進国もあったやろうに、なんでそんな途上国に行くんや」みたいなことを言われ、行く前なのにも関わらず、もやもやした。また、ケニアは危険だというイメージを持っている人も少なくないように思う。何かの病気が流行っていると思っているのだ。確かにそのような事実はある。だが、深刻ではない。しかも、ナイロビの水道水は飲めるし、田舎にも綺麗な水はある。衛生環境も悪すぎるということはない。それなのに、色々と決めつけている人が多い。これ以上書くと長くなりすぎるため、ここまでにするが、要するに、言いたいこととしては、ケニアに対する偏見が多いということだ。
 だが、偏見は仕方のないことだ。ケニアの場合、偏見は、ケニアが日本人にとって身近な国ではないというところから来ているように思う。人間なら、誰しもある。だからこそ、正しいことを知る必要がある。そのためには、積極的に知らないことに触れなければならないのではないだろうか。
 そして、このような背景があるため、ケニアに関する発信をこれからもしていきたいという気持ちがある。ケニアの話をし過ぎて、逆にケニアの話しかできない「一発屋」みたいになりそうで怖いが、まあ、今は仕方がない。自分自身はまだまだ海外経験が少ない。行った国と言えば、アメリカ、カナダ、ケニアだけなのだから。それでも、ケニアに行った経験は貴重で価値があるからいいじゃないか、と思う人もいるかもしれない。だが、自分自身は、正直、そこまで自分の経験に価値を感じていない。一方で、他の人の経験を羨ましいと思うことが多々ある。まあ、これは人間の性質だろう。人間は、自分の持っていないものを欲しがる。まあ、当然かもしれない。
 このような自分の性格から、インスタ投稿にも少しの不安があった。それは、自慢しているように見えることや、行きたいけど行けないという思考に陥って傷つく人が出るのではないかということだ。大げさかもしれないが、そうなると、あまりよくない。一方、あの投稿には、個人的に目的があった。それは、自分の経験や見つけたものを共有したいということだ。もし、あの投稿を見て、ケニアに行こうと思っていく人が一人でもいたら嬉しい。ケニアは遠く、日本と様々なものが違う。だからこそ、多くの発見があると思う。そういう意味では、アフリカやケニアは特別かもしれない。お金は出せないが、友達とかは紹介できるかもしれない。また、ケニアに行く際の注意点なども少しぐらいなら、シェアできるかもしれない。インスタを見てくれていた、あるいは、この記事を読んで、ケニアにいく人が現れたら、非常に嬉しいと思う。byケニア一発屋

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