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『ギャルバン!』制作記録② 物語の事と音楽の話

随分と空いてしまいました。やることたくさんあって手が回らんかったんです。そのやることを楽しんでもらえるコンテンツにしよかってことで書き始めたくせになんなんでしょうね!言うときますね!ほんまに!

さて、脚本が無事に脱稿しました。稽古で細かい直しはするんでしょうけど、作品の土台になるものを役者の皆さんにお渡しできました。劇中で演奏・歌唱する楽曲の制作もひとまずひと段落。今日は「物語のこと」「音楽のこと」その辺をお伝えできればなんて思っています。


■物語の話

どこまでを公にすべきなんでしょうね。作家の端くれなのであれば出来上がった作品だけを黙ってお見せするべきとも思うし、先入観を与えてしまわないように見てもらってから「あれはこうゆうことでした」とするべきなのかもしれないし。

個人的には作家がどんなことを考えてこの話を書いたかにも興味があるので私だったら知りたいなとゆう感覚もあり、値打ちこいて隠すようなことも何もないので面白がってくれる人がいるなら世に出したい気持ち。

そうだなあ。じゃあ、「嫌な人は見ない」でどうでしょうか。
知りたくない人、見終わってから読みたい人は今見ない。ね。そうしましょう。いつでも読めるように、残しときますんでね。

『ギャルバン!』の物語にでてくる「ギャルバン!」というバンドにはモデルがいます。大阪で活動していた「ジョゼ」とゆうバンドです。ご想像通り、私がもともとやっていて解散したバンドですね。「ギャルバン!」のフロントマン、東雲叶にも実在のモデルがいます。一緒にバンドをやっていた萌子という子です。

『ギャルバン!』に出てくる設定やお話は全てフィクションなんですけど、実際に私が「ジョゼ」をやっていた数年間で見た景色や出会った人、萌子に対して感じていたこと、大事にできなかったこと、大事にしたかったこと、今なら言えるけど言えなかったこと、そうゆう私の人生でまだ残っているものを大元のテーマの生地の中に混ぜ込み、こねてこねて焼いてできたのが今回のパンです。あ、間違えました。物語です。

私は俳優として作品に出る時、作家の思いや積み重ねてきたものが全く感じられないと途端に冷めてしまうし、作家の思いだけをつらつら書いているものはただのチラシ裏の落書きなので「物語書けやあ!」とイラついてしまいます。

『ギャルバン!』のテーマや題材は、自分と切り離すにはあまりにも人生の大きな部分を占めていました。人生単位で向き合っていくことで、今も答えが出ていないものを文字にして書くことって果たしてできますのんか。とも思った。

今の私の人格や生活は、全てあの頃の上にできています。とはいえ先述した通り、私自身が私の過去にそれほど興味がない。とゆうか人様に話して伝わるようなことは何一つない。あれは、私の物語なので。

自分の気持ちや過去が入りすぎないように、また、入らなさすぎないように、とにかくいい塩梅を探りました。実際にあったことを描いているシーンもあります。物語にしたかった。物語にできなければ、こんな話は書く意味がない。その一心だったような気がします。

執筆中、私は何度も過去に行きました。今まで出会ってきた全ての仲間が、ジャンプアニメのOPのように次から次へと出てきてはいい顔をしながら消えていきました。

生きてきたんだなと思った執筆期間でした。あの人達が私を作ったと言っても過言ではない。今もずっと仲がいいみんな、もう今何してるかわからない人、死んでしまった友達、口々に話しかけてきました。楽しかったし、よく泣きました。

旧天王寺Fireloopや火影の景色、Fandangoの楽屋、はじめて飲んだビールや煙草の味、ゲロ吐いたトイレ、いつも打ち上げで使う居酒屋、あだちさんにキレられまくったこと、遠征中の車内、何回もしたライブ、はじめて買った機材、スタジオでの会話、これらは書かずにいよう。どうせ乗ってしまうから。

『ギャルバン!』は、私にしか書けない物語になりました。出来上がった脚本を読んで、登場人物たちをとても愛おしく思いました。今まで出会った誰でもないのに、今まで出会ったみんながそこにいました。まぁ、不思議。この物語が嫌いか好きかは、観てくれた人に任せます。私は大好き。そんな物語が書けました。




■音楽の話

私が最も信用する友人の一人、シンガーソングライターの森良太との劇中歌制作がひと段落しました。その模様は森さん&すずやん(森バンドのベース)がYouTubeにアップしてくれているのでこちらも是非。

タペラボの日常【楽曲提供編#1】

タペラボの日常【楽曲提供編#2】

タペラボの日常【楽曲提供編#3】

タペラボの日常【楽曲提供完結編】

今回の制作にあたり、森とは仲のいい友人でもあるので、ラフにやりとりができる強みがありました。打ち合わせでどうやって着手しようか、という話になり、ラリーしようということになりました。

まず、私から各Mを構成する材料を森に送りました。実際に送ったのがこれ↓

色や象徴的なものを頭に浮かんだの全部伝えて、歌詞ではないのですが、歌詞の元になるみたいなフレーズもあるだけ送りました。これを元にどんな曲が欲しいのか何となくのイメージを掴んでいただき、作曲に入ってもらいました。
あんまりやったことないやり方ですけど、曲作りに限らずモチーフで伝えるのはかなりわかりやすくていいなと今回思いましたよ森さん。パクるね。

で、リファレンスと呼ばれる「あのアーティストのあの曲」という具体的な例を渡して、音色やアレンジの方向性を伝えます。これは楽曲制作で主に使われる方法でやんすね。

今回『ギャルバン!』の楽曲は初期椎名林檎のオマージュが裏テーマになっておりまして、強く粗く脆い女性がコンセプトになってます。

森さんが作曲に入ってからは、まずシンプルな構成でデモを送ってもらい、曲の方向性を定めました。これ森さん本当にすごかったのが、どの曲も伝えたイメージ通りで一発OKでした。意思疎通ができていると感じた瞬間でしたし、森さんの音楽スキルの高さを改めて実感した瞬間でしたね。

テンポだったり曲の各セクションをどのくらいの尺感にするか構成を打ち合わせたり、ちゃんと逐一聞いてくれて、こまめにやりとりしてくれたのもとても助かりました。出来たで!っつって渡されてコレジャナイってなっても言いにくいしね。

もうちょっとああしてこうしてをラフに言える関係性がとても役にたった気がします。森さんは大変だったかもだけど。森さんは仕事が早いし、本当に素晴らしいアーティストでありクリエイターだなと改めて尊敬しました。

今は作曲が無事FIXし、歌詞をつけて森さんや楽器パートの皆さんに共有する段階です。もうちょっとなんだけど、もうちょい粘りたい。今夜中には書き上がるかなって感じです。待て続報!




いちいち長くなるのほんまなんなん。では、第3弾でお会いしましょ〜。

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《ご予約フォーム》
https://onl.la/FgvkGaj

《公演スケジュール》
9月2日(金) 19:00
9月3日(土) 13:00 / 18:00
9月4日(日) 12:00 / 17:00
(全5ステージ)

《会場》
六本木BIGHOUSE
東京都港区六本木5丁目18-2 大昌第二ビル B1
https://www.bighouse.tokyo/

いつも読んでくださりありがとうございます。 サポートしていただけたらとってもとってもうれしいです。 個別でお礼のご連絡をさせていただきます。 このnoteは、覗いて見ていいスカートの中です。