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読書人間📚『血も涙もある』山田詠美



『血も涙もある』山田詠美



2021年  新潮社刊行
令和5年

途中、「どうでもいい、くだらない」と思えてくる。
そもそも、他人の恋愛なんてどうでもいいこと。そしてそれが不倫ともなれば、更にどうでもいいこと。
誰がスッタモンダしていようがどうでもいいこと。
阿呆らしいと思いながら、不思議と読み心地の悪くなさに読み終えてしまう。

真っ只中にいる読者、まるで縁のない読者、どの視点の人間が読むと本書が活かされるのかわからない。ん?活かすとは、不倫の手解き本ではありませんぞ。だがしかし、これ程上手に、美味しい料理を作って頬張るがごとく、不倫を愉しみ食べ尽くすなんて未だ見ぬ境地(いや地獄か)。
それはそうと、水木しげるさんの「鬼太郎」が性交に及ぶ回があるとは、まったくの初耳。童心なんてものじゃなかった水木しげるさんのリアリティに何より驚いた読者時間でした。



カバー装画 Juan S aonchez Cotan


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