映画🎞『バルバラ~セーヌの黒いバラ~』🌹
シャンソンの女王と言えば、フランスのバルバラ。
先ず、この歌手を知らなければ、本作は少し眠気を誘う作品かもしれません。
創作の点では、フランス映画がお好きな方には珍しい手法ではないかもしれませんが、ちょっと難解かもしれません。
有名ななかでは『毛皮のビーナス』や『ブラック・スワン』の方がわかりやすいでしょう。
ドキュメントタッチに、実在した歌手バルバラを演じる女優と監督の映画制作を軸にしたクリエイティブなお話、
バルバラを演じる女優が"バルバラ"にのまれていく、同化していく様と、女優その人の人生を歌と共に少ししっとり湿り気をもたせ、たゆたう演出。映像もまたフランス映画らしいアンダーな雰囲気が、貴重なバルバラ本人の映像と異質無く重なります。
バルバラがどういった人物だったのかというお話ではありません。バルバラに魅了された女優の自我とアイデンティティがどこへ向かうのか、収まるのか、抽象的なさまと余韻を楽しむ作品だと感じます。
バルバラと言えば、わたしも大好きな一曲、レパートリーにしている歌があります。
(覚和歌子さんの日本語訳で「我がうるわしき恋物語」。わたしの大昔の映像ですが置いておきます)
作中では、バルバラの語るよう、日常の会話のように歌うその魅力的な歌唱が、「我が麗しき恋物語」Ma plus belle histoire d'amour を思いださせ、わたしもうっとり女優の気持ちにはまります。
わたし自身「我がうるわしき恋物語」を歌う際には、ホロっと涙に酔ってしまう程です。
あのような歌がうたえる歌手こそ本物だとわたしは感じています。
本作は実在したバルバラの人間性に寄りそった作品ではありませんが、わたし達が魅了されるほどのバルバラの愛と歌の人生にもう一度触れ、バルバラの歌に心酔するのも良い時間です。
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