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だれかの日記を読んでいるような感覚/『葬送のフリーレン』感想

普段アニメを見ない方と話していても、『葬送のフリーレン』はちょくちょく話題に出ます。

まだ見たことない方には是非見てほしいので、フリーレンのどんなところが面白いのか伝えたく、この記事を書きました。
ネタバレはないのでご安心ください。

一見地味な作品ですが、アニメ化されてぐんと人気が出たなあと感じています。
私は漫画で読んだときにはハマらなかったのですが、アニメをあらためて見て「あ、こんなにおもしろかったのか」と気づいた遅めのタイプです。


あらすじは、勇者ヒンメルが魔王を倒して平和になった後の世界で、勇者一行の一人だったエルフの魔法使いフリーレンが旅をするお話。

エルフだから長命のフリーレンが、人間と関わっていくことで、「心」や「感情」が育っていく物語です。

派手なバトルものではなく、しっとりとフリーレンの感情の機微を描いています。
「湿度が高めの作品」という表現で伝わるでしょうか。

魔王を倒した後のフリーレンは淡々とした話し方で、「世界を眺めているだけ」だった。
そんな彼女が、ヒンメルの死をきっかけに旅に出て、「世界を生きはじめる」。

雰囲気は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』にも似ているような感じがします。



先日同僚と話しているときにフリーレンの話題が出て、「だれかの日記を読んでいる感覚」という言葉にしっくりきました。

特に序盤は大きな事件が起こるわけでもなく、フリーレンたちを追いながら、ゆっくりと物語が進んでいきます。さながらロードムービーのよう。

だれかが旅の最中で綴った日記を読み返し、その旅から「今を生きること」の大切さを感じ取らせるような、言ってしまえば「読み手任せ」のような作品。

押しつけではなく、感じ取らせる。
そのためにフリーレンの機微が丁寧に描かれているので、多くの共感をうんだのかとおもいます。


その他のお楽しみ要素として、フリーレンの弟子のフェルンと、旅の途中で仲間になったシュタルクのじれったいやり取りにニヤニヤするところもあります。

本当は強い戦士なのに、怖がりなシュタルクが好き。

鬼滅の刃の善逸みたい


物語が進んでくると、魔族との戦いや、魔法使い試験があったりと、盛り上がる要素もふえていきます。

見せ場はあっていいけど、フリーレンらしい低温度な展開も引き続き楽しみ。


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