見方を変えるお手伝い
「もっとこの人たちを良くしたい!」と悩んだことがある人は案外多いのではないでしょうか。
かつてIT企業のCIOをしていた山本和宏さんも同じ、「ここで働く仲間を良くするには何が必要なんだろう?」って悩みを持っていたのだそう。
その原因を解決しようと考えたのが、”ひとの可能性を信じて「何かを変えたい気持ち」を応援する”個人向けのコーチングサービス なんだとか。
コーチングと聞くと、大坂なおみさんがコーチをつけたことで知られるようにもなった、一対一でメンタルコントロールを学ぶようなものをイメージする。
私は、これ、”特別な人がうけるもんだよね”って思ったのだけれど、山本さんの人柄にひかれたこともあり、受けに行ってきました。
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◆ 「なんでこう思ったんですかね?」
意外に感じたのは、”課題を出すところからはじまること”
高い目標がある人がそれを達成するために、コーチをつけるイメージがあったのだけど。それとは違って、自分の今いる場所から、自分の気持ちを正直に話していくことで、抱えてる課題を見極めることからはじまった。とりたてて、人に話すまでもないような人生の出来事を話していると「なんでこう思ったんですかね?」との合いの手で、自分ならではの、自分を怖がらせていることが明らかになっていく。
◆ 「未来ってどっちの方向だと思いますか?」
「えっと、なんとなく左斜め上のような気がします。」と私。 「じゃあ、次は、未来をみにいきましょう!」とコーチ。
課題を決めた次は、コーチのナビに従って、あらゆる場面を想像すること。これも私には、意外なもの。目標を持っている必要がない。自分の持つ想像力のとてつもない力を使って、未来の成功イメージや過去のこれまでの自分を俯瞰してみていく体験だ。私がみたのは、頭で考えても出てこなかった、”刑務所や大学で、私がNVC講座をしている未来の姿” だったから驚きだ。
◆ 自分の弱さを認めること
慣れ親しんだ環境に踏みとどまりたかったことに気づく
未来のイメージがリアルに感じられると、人間は、自然と実現したいとエネルギーが強まるもの。そのエネルギーは、自分の気持ちを正直に受け止める気にさせる。慣れ親しんだ環境に踏みとどまりたいって気持ちだった。
この体験から、与えてもらったのは、変化を受け入れる気持ち。そして、つまづいても、後戻りせず、ひたすら前に進むための次のステップを決められたこと。
最後に、なぜ、会社をやめて このコーチングサービスを提供するようになったのか?を山本さんに伺ってみた。
キッカケは、妹が亡くなった体験から。
両親をすでに亡くしていたこともあり、妹の存在は戦友のようなもの。その妹が自分より先に亡くなったとき、”自分が生きたいように彼女の分も生きたい!”という思いが湧いてきたんです。
と山本さんは聞かせてくれた。
当時、勤めていた会社では、右肩上がりの業績を実現することができた。ならば、”ここで働く人ももっと良くすること”へ投資をしてもいいのでは、と思いついき、横のつながりを活性化するためのシステムコーチングを導入へ。
そして、社内で実施していたONE ON ONEの面談が上手くなるといいな、と気軽な思いから、受けるだけじゃなく、コーチングを学び始めた。とにかく人から教わることが新鮮で楽しみでならなかったとか。
コーチから「あなたは何にエネルギーを注ぎますか?」と何度も問いをもらう日々
あるとき、これは学びじゃなく、自分の”あり方”を問われていると気づいていく。
「あなたは価値観にそって生きていますか?」という問いをコーチとして他の人に投げかける練習をするのだけど、これって、自分はどうなんだろうって思うようになったんです。
2017年の調査では「ブラック企業だというイメージがある業種ランキング」で1位に輝くなど、過酷な仕事のイメージが強く持っている人が多いIT関連職産業
山本さんも会社でONE ON ONEの面談をする中で、縦型の組織構造では、組織の価値観と、自分の価値観とのズレを感じて引き裂かれるような思いをする人たちを見てきた。
元々は”ものづくりが好き”で入った会社。気がつけば、ものをつくる機会は減り上下や顧客との関係性の調整をするのが役割になる。そんな人が抱えるであろう苦痛を理解することができる。
「何かを変えたい気持ち」✖️「コーチング」✖️「気持ちに蓋をして仕事をする人のサポート」
こんな体験から、山本さんのコーチングサービスが生まれた。
今は、ちょうど大坂なおみさんのテニスの試合がやっている。全米オープン2度目の優勝インタビューを思い浮かべて欲しい。
「7つのマスクを7つの試合に用意し、優勝してどう感じますか?」と聞かれたときのもの。
「あなたが受け取ったメッセージは何でしたか?メッセージをあなた方がどのように受け取ったかに興味があります。USオープン会場の外で起きていることについては詳しくないですが、より多くの人がこのことを語るといいと思います」
この言葉に、どこか遠い国のコトと他人事だったわたしの意識がぐいっと自分のコトに変わった瞬間だった。
私にとって、山本さんのコーチングは、これと同じだったかも。目の前にある課題への見方を、自分で変えるサポートをしてくれるものだった。
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