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思ってることを伝える手段

私は吃音を持っている。

自分が話したいと思っていてても口に出すことができない。言葉が詰まってしまう。

私は生まれつき吃音があったわけではなく、中学3年生の受験期真っ只中に発症した。

クラスメイトからの日々の陰口、悪口は当たり前。クラスの中で数少ない友達からも裏切られた。

でも、先生に相談するという選択肢はなかった。

どうせ先生が介入したところで変わってくれるような人たちではなかった。

だったら自分が我慢して変に刺激を与えずにいるほうがマシだった。

唯一の居場所、心のオアシスとも言えるような場所だった生徒会を10月末に引退してからストレスが溜まりに溜まりまくった。弱音を吐けるような人も場所もなかった。

その溜まりに溜まりまくったストレスが爆発し、吃音を発症した。

症状が初めて出たときは本当にパニックになった。頭の中で話そうと思っても声を発してみようとすると出ない。

吃音のせいで悪口や陰口がひどくなった。その悪口や陰口のせいで吃音がひどくなった。悪循環だった。

元々話すことが大好きなタイプではなかったけど、流石に驚いたし泣きたくなった。というか泣いた。

やっぱり先生に助けを求めるべきなのか。言葉が出なくて焦っていた私は、言葉が出ない悔しさとこれまでの苦しかったことが大爆発して号泣した。

でも、卒業までに問題が解決してほしかったわけじゃなかった。ただただ先生に話を聞いてほしかっただけだった。

先生に相談したあとはとんでもない疲労感に襲われた。学校にも行きたくなくなった。とにかくしんどかった。

よくあのときの自分は受験に打ち勝つことができたなと思った。

高校で吃音を笑ってくる人はいない。

でも、完全に治ったわけじゃないし、これから完全に治るものでもないと思うからこれから吃音を嘲笑うような人がいるかもしれない。

クラスで発表をしたり、初めて話す人との会話で吃音が出ないかな、とか色々考えてしまって言葉を口にすることが怖くなってしまっている。

ある時にみた手話の番組。

耳が聞こえにくい人などが思ってることを伝える手段として手話が使われている。

私はその番組を見て、伝える手段は口だけじゃないんだということを実感した。

手話、LINEなどのチャット、筆談。

考えてみたら手段はたくさんあった。自分がそれに目を背けていただけだった。

誰かに伝えたい。誰かに私の気持ちを知ってほしい。

このnoteもどこかにいる誰かに伝わってれば良いなと思っている。



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