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探鳥会レポート<K湖畔編>2/3話 2022年7月 ぜいたく、オオルリざんまい。

   先日、K湖畔で行われた探鳥会に参加してきました。
 今回の主催はニコ支部です。

 K湖という、標高1,500メートルの山の上にある湖の周りを歩いて鳥を探しました。

 少し進んだところで、また先鋒隊が足を止めて同じ方向を双眼鏡で見ていました。
 真ん中組のスコープ(望遠鏡)部隊も心得たように足を止め、同じ方向に焦点を合わせ始めました。

 みんなが見ていたのは針葉樹のてっぺんでした。
 たぶんもみの木だそうです。
 すごく大きなクリスマスツリーのてっぺんには、お星様の代わりに鳥が止まっていました。

 スコープ部隊の人が
 「オオルリが入っています」
 そう言って、みんなに見るように言いました。

 スコープ部隊の人は少しだけ残念そうに
 「まだ若い鳥だから茶色い」
 「そうなんですか?」
 「去年、生まれた若鳥だと思う。もう少ししたら背中がきれいな青になる」

 私も覗かせてもらいました。
 確かに羽根は茶色がかっていましたが、背中は十分きれいな青に見えました。
 そしてきれいな声でさえずっています。
 「声だけは、十分、大人だ」
 とは、ベテランの談でした。

オオルリの若鳥

 オオルリは遠くから見た方がいいそうです。
 木のてっぺんにいるのを近くから見上げると、明るい空が背景になって、鳥が真っ黒にしか見えなくなるからだそうです。

 役員とスコープ部隊の方は
 「オオルリが見られたなら喜んでもらえただろう」
 こう言い合って満足そうでした。  

 ここで少し湖から外れました。
 山道を進んで、K湖を見下ろせる所まで足を伸ばすそうです。

 岩がゴロゴロしているような足元の良くない細い道をあがって、探鳥会御一行はT峠で足を止めました。

 霧はますます濃くなっています。
 見下ろした先の湖は、時々白いガスにまかれて見えなくなるのでした。

 霧の中でも探鳥会のベテランは鳥を見つけました。
 大きな木の上で、きれいな声でさえずっているのは、おそらく先ほど見たオオルリなのでしょう。

 オオルリは歌い終わるとパッと飛んで行ってしまうのですが、少しするとまた飛んできて、同じ木のてっぺんに止まってさえずるのでした。
 どうやらここがお気に入りの場所のようです。

 飛ぶたびに体が横向きだったり、背中を向けたりしてくれたので、カメラを持った参加者から「今の向きは最高!」などと喜ばれていました。

 時々、白い霧が濃くなって、オオルリの姿が見えなくなるのも幻想的でした。

霧の中で歌うオオルリ

 休憩が終わってT峠を降りていきました。

 オオルリの姿は、湖の近くまで移動しても、時々、木の陰から見ることができました。
 よく見つけるなぁと思うような小さな姿でもベテランさんは見つけてしまうのでした。

3につづく。

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