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鳥見日記<M公園編>2/2話 水鏡のオシドリ

    鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんとM公園に行きましたが、そこで貯水池の水鳥が大慌てで飛び立つのを見ました。

    その少し前に、貯水池の裏にある藪で男性をふたり目撃していて、その人たちが何かを仕掛けた可能性があります。

     私のそんな推理を、モカさんは黙って聞いていました。
     怒った私は面倒くさいと思ったのかもしれません。

     遠くでカラスが鳴きました。
     カラスが私の代わりに不審者へアホーアホーと鳴いてくれました。

    モカさんは近くにあった木を指しました。
     「あの木、なんだろう」
     「鳥がたくさん来ているの」

    私たちがいるのは貯水池の堤体の上です。
    ダムみたいに水を堰き止めている所の上だったので、眼下には広場とたくさんの木が見えていました。

    モカさんの言う木を探して、しばらく双眼鏡を構えていました。

    ヒヨドリが飛んできて、ある木に止まりました。

    その木にはボサボサした感じの房が付いていて、ヒヨドリはその房の実を食べに来ている様子でした。

    「本当だね」

ヒヨドリ、冬のごちそう

    なんという木なのかは分かりませんでした。

    モカさんが「可愛い鳴き声が聞こえる」と言いました。
    私は耳がよくないので、鳥の声が小さいとほとんど聞こえません。

    「聞こえないよ」
    正直に言ったのに、モカさんは引き下がりませんでした。
    「もっとよく聞いてみて」

    今度は耳を澄ませて真剣に音をさぐりました。
    風が木の間を抜ける音、遠くを走る車のエンジン、自分の鼓動……かすかにとらえた鳥の声が……

    「ケチャケチャって言ってる」
    「うん」

    聞き取れたことに安堵する私。

    モカさんは鳴き声の主を分かっていたらしく
    「あれは、ウグイス」
    「ウグイス?」
    ウグイスの地鳴きならチャッチャッだと思うので、聞き返す私。

    「うちの近くにたくさんいて、いつも聞こえるの」
    「へー」

    モカさんが、私が鳴き声を聞き取れるまで待ってくれたのが嬉しかったです。

    私は聞こうとするのを、聞く前から諦めていたという事に気付いて、恥ずかしくなりました。
    大反省でした。

    貯水池の水面をオシドリが泳いでいました。

    日当たりのいい場所に出てきたオシドリはなかなか色鮮やかでした。

オシドリ

    オシドリの撮影を楽しんだ後は恒例のコーヒータイムになりました。

    帰宅してから写真を見直していて、オシドリにビックリしました。
    なぜか、オシドリの水鏡に映った影の方がお目々キラキラに撮れていたのです。

    モカさんとメールで、お目々キラキラなオシドリの話題で盛り上がったのでした。

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