見出し画像

カワセミ ロス。

 私が最後にカワセミに会ったのは4月初めのことだったように思います。

 確か、鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんと足を運んだ公園で、カワセミがエビを捕まえて意中のメスにプレゼントした時に居合わせたのでした。

 しかし、その直後からぷっつりとカワセミの姿を見かけなくなりました。
 カワセミがいるはずの池はあちこちにあるのにどこにもいないのです。

 カワセミに会えなくなった私はすっかりカワセミ ロスになりました。

 エサをプレゼントして受け取ってもらえたら、つがいになって巣を作り、交替で卵をあたためているのでしょう。
 だからカワセミを見かける確率も半分なのかも。

 確率は半分なのに、ぜんぜん会えないよ(悲)

 モカさんにそんな話をしていました。

 カワセミに会えないさみしさから、グーグルマップ上のカワセミ池に「お気に入り」を立ててみました。
 お気に入りはハートマークです。
 思ったよりあちこちにカワセミに会えるポイントがあって、どんだけ好きなんだよって自分に突っ込みを入れるようなハートいっぱいのマップができました。

 ある日、自宅から少し離れた地域に出張が入りました。
 仕事の後にお弁当を買って、小鳥がいそうな公園を探して、ベンチで食べました。

 詳しいことを知らずに寄ったのですが、そこは歴史のある史跡公園で、園内にきれいな湧き水がわいていて、ホタルがいるような小川や池がありました。
 そしてカワセミもいたのです。

 カワセミに会えたのは3週間以上ぶり。

 モカさんに「いた かわせみ」とひらがなでメールを送りました。

 これを見て「感動のあまり言葉にならなかったんですね」と、良い方に解釈してくれるのがモカさんのいいところです。

 久しぶりに会ったカワセミはオスでした。

 予想していたとおり、羽根の色が抜けてくたびれていました。
    久しぶりにカワセミを見ることができたら、きっと羽根の色が変わっているだろうと思っていました。

 おそらく子育てが始まって、自分の食べる分もひなにあげているのだと思います。

 飛び去ったカワセミを追いかけたかったのですが、今日のところは我慢。
 そっと見守らなければ。

 見守りに徹した事へのご褒美は、まもなく巣立つ可愛いカワセミのひなちゃんなのですから。

羽根色の薄さは、育児を頑張っている輝き。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?