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リターン予定のZINEについて

こんにちは。日々様々なニュースが飛び交い気が滅入りますね。可愛い猫の動画を見て現実から逃げておりますオオツキです。

さて、
新組織「NEWTYPES」の設立に向けてのクラウドファンディングについて、今回で第3回目の記事になります。

前回はリターン予定の書体について少しご紹介させていただきました。
今回は、リターンを予定しております「タイポグラフィに関してのZINE」について、お話しさせていただきます。

前回、前々回の記事はこちらから

第1回目↓

第2回目↓



どのようなZINEなのか

タイポグラフィに関する独自の研究を記した、いわば「研究論文」のようなものになります。
度々、文字のサイズスケーリングの「黄金比」を謳う資料を目にすることがあります。それは例えば「4の倍数」で増えていくスケーリングであったり、「1.5倍ずつ」増えていったり、と様々です。
確かにある種のロジックに基づいてのスケーリングではありますが、果たしてこれは本当に正解なのだろうかと思い、検証・研究を始めました。
現段階ではまだこの研究は道半ばであり、今回みなさまからご支援いただけた支援金を基に、研究・検証を重ね、完成したものをお届けしたいと考えております。


研究内容について

※ここからはあくまで組織の見解です。これからお話しすることがなにも「正解」だとは思っておりません。ただ、強い信念のもと導き出した「新しいタイポグラフィ」の可能性として研究成果を見ていただきたくお話しさせていただきます。

日ごろ文字組み、すなわちタイポグラフィについて「思うこと」がありました。
それは「調和」についてです。
「本文」にたいして「見出し」はどれくらいの差異が好ましいのか。
これらを明確に定義することが出来ないが故に、的を射た正解が無いのだろうと考えておりました。そしてそれらはデザイナーの経験やセンスと言われるものに左右され、ピンからキリまで様々なタイポグラフィが世に出ています。

そもそも文字とは一体何なのか。それを「音を可視化したもの」だとここでは定義いたします。
タイポグラフィとは「音」を決まった論理のもと並べたすなわち「旋律」なのではないかと考え、そうであればタイポグラフィに調和をもたらすには「音楽理論」ではないかという結論に辿り着きました。

ここから先は少し音楽理論を交えた話になりますので、楽器を触ったことがある方しか伝わらないかもしれません、わかりやすく解説することに努めますがあらかじめご了承ください。

タイポグラフィと音楽

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音楽には「ドレミファソラシド」といういわゆる「音階」というものが存在します。
「ドレミ〜」には各々で仲良しになれる組み合わせが存在します。
例えば「ド」と「レ」は仲良しにはなれません、ピアノがあれば同時にこの音を鳴らしてみてください。すごく濁った音がすると思います。これを「不協和音」といいます。

では「ド」と「ファ」ではどうでしょうか。ものすごく綺麗な響きがしませんか。「ド」と「ファ」の関係性を「完全4度」といいます。このように音には仲良しになれる「ペア」が存在するのです。
そしてさらに、「コード」という仲良しの「チーム」があります。
「ド」「ミ」「ソ」を同時に鳴らしてみてください。
まとまりのあるハーモニーを感じられるかと思います。
これは「C(Major)」と呼ばれるコードです。
ここでまたタイポグラフィの話に戻ります。
前項でタイポグラフィとは「旋律」ではないかと記述しました。
音楽理論とタイポグラフィとを融和させるべく様々な仮説を立てては実験しこれらを日々検証しています。


考えていること

音楽にはスケールというものが存在します。
「ド・レ・ミ・フ・ァ・ソ・ラ・シ」は「Cメジャースケール」といいます。
そのほかにも、
「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の5音構成のモノは「Cペンタトニックスケール」、
「ド・レ♭・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭」という複雑なモノでは「Cフリジアンスケール」といったように多種多様なスケールが存在します。
これらのスケールを遵守することで曲に雰囲気が生まれます。
例えば「ド・ミ・ファ・ソ・シ」は琉球音階といわれ、この音階でリズムを刻むと沖縄を彷彿とさせるメロディを感じられるでしょう。

このようにスケール・音階は曲の構成を決める上で最も大切な要素になります。
ではタイポグラフィではどうでしょうか。
この音楽理論に基づいた音階のように明確に体系立てて表現できるものがありますでしょうか。
私たちはこの音楽理論にこそ何かタイポグラフィの深淵を感じてなりません。

最後に

書体選びとは、楽器を選ぶこと。
そして、
タイポグラフィとは、案件に合ったスケールを理論を持って選定し、
メロディ(文章)を譜面(紙やディスプレイ)に刻むこと。
そうすることで文字の読み手(奏者)は気持ちよく読み進める(演奏する)ことが出来るのではないかと考え研究を進めています。

少し長くなってしまいましたが、ざっくりとこのようなことを記したZINEをリターン品とさせていただこうと思っております。
何かみなさまの制作のお役に立てるものがご提供できるよう努めてまいります。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

それでは、この辺で。
また続きをアナウンスさせていただきます。

この度も長い文章をお読みいただきありがとうございました。
引き続き『NEWTYPES(ニュータイプス)』をどうぞよろしくお願いいたします。

クリエイティブ組織 diotop
タイプファウンドリー NEWTYPES

代表
オオツキ チヒロ


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