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テナーサックスの思い出

「とにかく上達しなかった。」

そんな苦い記憶しか無い、学生時代の吹奏楽部の3年間。
そして目立つ金管楽器(トランペットやトロンボーンなど)がずっと羨ましかった3年間。

先日映画「ブルージャイアント」を観て、テナーサックスという楽器の魅力に衝撃を受けた。

そしてあの重みあるしっとりした音が、今漫画や映画音楽でちょっと流行りだしている事に、一人感動している。

テナーサックスの音を久々に耳にし、吹奏楽部時代の淡い思い出が甦り、ふとここに書いてみたくなった。

一年生 
初めて顧問の教師に楽器を決めてもらい、テナーサックスを見た際、印象としてはちょっと知らないなぁ。重そうだなぁ。。という感じ。

当時の私の憧れはトランペットやトロンボーンなどの曲の中で目立つ金管楽器であった。
テナーサックスという楽器自体もその時初めて知る。

一年生の頃はひたすら坂をダッシュで駆け上がり、床に仰向けになりメトロノームで一時間呼吸法、長い音出しの訓練の連続。
しかし
いつもグラウンドで見る運動部よりは辛くないかも。。とは思った。
先輩達は割と厳しかったが。。

マウスピースに木のリード(小さい板)を付け
下唇をぐっと中に押してくわえるのだが、始めは音が出せず、一ヶ月位でやっとある程度の音階が吹けるようになった。
しかし時々木のリードが「ピーッ」っと鳴る。

タタタタタと連続で吹くリズムのタンギングもずっと苦手であった。
一時期「トゥトゥトゥトゥ♪〜」と歌いながら練習していた。

3年になる頃にはコンクールも出ていたが、
やはり吹奏楽の曲中ではテナーサックスの譜面はメロディより低音、伴奏の役回りが多く、もっと軽くてメロディが多い楽器に憧れていた。

ソロを出来るような上手さも、性格的な派手さも無く、テナーサックスソロがある曲もやらせてもらえず、ひたすら地味なポジションにいたと思う。
みんなとは仲良しだったけど。。

ブルージャイアントの映画で私が観た主人公宮本大のテナーサックスを奏でる姿、ひたすら独学で打ち込む姿は、私のまさに憧れの姿だった。

大人になって自然とジャズが好きになったのはやはり自身の体内に長年携わってきたピアノやテナーサックスの音が自然に染み付いていて、それらが中心となれる音楽だからかもしれない。

ガチガチな譜面通りじゃなく、思い切り自由に楽器を表現出来る所も面白い。

いつかテナーサックスにまた触れる機会があるならば、ブルージャイアントの中のワンフレーズを吹いてみたい。

ジャズやっか!(主人公のセリフ)


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