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【広報つの2020年6月号掲載】都農をめぐる冒険 Vol.1 ~「オタク」と「にわか」をめぐる冒険~

「オタク」という言葉には、かつてアニメやマンガに没頭する者たちへの侮蔑的なニュアンスが含まれていましたが、今ではその意味合いもすっかり薄れ、「オタク」の使用が一般化しました。しばらくして蔑視され始めたのが「にわか」です。「オタク」が知識のひけらかしに終始し、「にわか」が愛情ではなくうわべの情報を語るときしばしば衝突が生まれてきました。同じものが好きな同志だというのに。
しかしその構図にも終止符が打たれる時が来ました。ラグビーW杯2019は「にわか」ファンを巻き込めたことが全国的なムーブメントにつながったと言われています。「ラグビーオタク」と「にわかラグビーファン」の間には圧倒的な知識・経験・愛情の差があったにもかかわらず(むしろだからこそ)、選手をはじめとする「オタク」が「にわか」に寄り添ってラグビーの魅力を伝え、共に楽しむ姿勢を貫いていたし、「にわか」は「オタク」から魅力や楽しみ方を熱心に教わろうという姿勢を持っていました。「オタク」と「にわか」が互いに寄り添い合う姿勢の重要性がわかります。
さて、私は2019年4月に都農町地域おこし協力隊として岐阜市から都農町へ移住しました。大好きな町だったわけでもないし、そもそも「都農」が「つの」だと知ったのもほんの数年前。都農に関してははっきり言って「にわか」です。でもきっかけがあって都農に移住し、地域おこし協力隊やツノスポーツコミッションとして都農町の魅力を発信し、地域を活性化していく立場となりました。私たち「にわか都農住民」は都農で長い間生活を続けてきた「都農オタク」からもっと謙虚に学ばなければなりません。また「都農オタク」の皆さんには「にわか都農住民」に対して、ぜひ一緒に楽しむスタンスで接していただけたらと思います。両者が寄り添い合えたとき、都農の地域活性化は一つのムーブメントとなるに違いありません。移住して1年、その可能性を十分すぎるほど感じています。

自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)