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十訓

写真は常日頃 
私の背広の内ポケットに入っている
「父の十訓」である。

「後志支庁水産課十訓」  

  昭和44年5月 芳永武

1,漁業者があってこそ
  始めて当水産課が存在し
  北海道の職員として
  勤務することができるもので
  あることを銘記すべきである。

1,当水産課を訪れる方々は
  皆んなお客様である。
  従って公僕の精神に徹し
  ゆめゆめ疎かに
  すべきものではない。

1,仕事は自ら進んで為すべきものであり
  人にいわれて為すべきものではない。

1,仕事は大きなそうして困難なものから
  順次取り組むべきである。
  取り組んだら離すな。
  それを成就するところに進歩があり
  発展があるものだ。
  小さなそして安易な仕事ばかり
  していると己を小さくしてしまう
  ものである。

1,仕事は、行成り取掛かるべきではない。
  事前に慎重せよ。
  急ってやる仕事に良い結果が
  出る筈がない。
  長期計画をもってやれば
  急いでやる仕事よりも
  寧ろ立派な仕事ができるものである。

1,仕事には、自信をもって当れ。
  自信がなければ仕事に迫力も粘りも
  そうして厚みもないのだ。
  努力に努力を重ねることが本人を
  ひと廻りもふた廻りも
  大きくするものだ。

1,仕事は、一人で出来ると思うな。
  一人の力には限界がある。
  己の力の小さいことを悟れ。
  人の和により幾倍もの力が
  湧き出ずるものである。
  常に健康に留意しお互いに
  頑張るべきである。

1,仕事は、常に頭を全回転させよ。
  周囲の人をも引きずり廻せ。
  引きずるのと引きずり廻されるのとでは
  永い間には天と地の開きが
  生ずるものである。

1,仕事に、摩擦を恐れるな。
  摩擦は進歩の母であり
  積極性の表れである。
  そうでないと卑屈未練な人間に
  なってしまうものである。

1,その日の仕事は、その日のうちに
  終えるよう最善の努力をせよ。
  ただし公務員と言えども人間である。
  勤務時間外まで
  拘束されるべきものではない。

「水産課」を 我が社
「漁業者」を お客様 に置き換えると
今でも使えそうである。

私は道に迷うとき、いつもこの「十訓」を
読み返す。

その時の答えは
すべてこの中にある気がしている。

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