それぞれの心の中に残されている、クウネルのカケラたち。
先月書いた「私は恋しい。あの頃の、クウネルが」。たくさんの方に読んでいただきました。共感のコメントもいただいて、本当にありがとうございます😊
「暮ら○の手帖ほどストイックでもなく、時短やお得情報が掲載されているのでもなく…」というコメントをいただいたのですが、ほんまそれーー!とめちゃくちゃ首を縦に振ってしまった。
「暮らし系の本、雑誌」といっても多彩なテーマで出版されていて、実はかなり細分化されている。
わたしには「暮ら○の手帖」はストイックすぎて、そんなに手をかけながら日々を暮らす余裕ないっす、、すみません、、雑巾は100均で買っちゃう系の人間なんですっ!と謝りたくなる。
対象的な「時短!」「お得!」「節約!」情報が溢れた雑誌は圧がすごくて「ううう…」となる。(炊飯器クッキングってそんなに需要多いんですか…?)
クウネルは、ただただ「わたしはこの暮らしが心地いいからしています」という姿勢の方々を、一定の距離から丁寧に取材して、文字にしていた印象。
読者が劣等感を抱くことがなく、こうしなきゃいけないんや…と焦らされることもなくて、心が凪いだまま読み進められる。それが本当に貴重だったんだなぁ…
どの雑誌とは言わないけど、明らかに所得の高い人ばかり紹介される暮らし系雑誌もある。
わたしは、かっこいい肩書きがついていて、豪華な生活をしている人の生活にはあんまり興味がない。それを見たところで、自分のエンジンにはならないから。
それよりも、普通の人が、日々を自分ができる範囲で心地よく、工夫して楽しく暮らしている様子に励まされる。ああ、自分もそんな風に暮らしを楽しみたいなあ!と。
あの頃のクウネルは、それをいつも見せてくれていた。あたたかい雑誌だった。
そして書きながら思い出したけれど、「わたしの好きを大切に進み続けていたら、ここまで来ていました」という方々もたくさん登場していた。
進路に迷っていた大学時代、転職ばかりしていた20代。そういう方々の生き方にとても励まされていた。
「わたしは絶対こうするんだから!」という周りをなぎ倒すやり方じゃなく、しなやかに、でも大切なところは譲らないよ?という姿勢。この記事を書くことで、改めて思い出しました。
自分もそんな風に進んでいきたいと今も思うし、文章を書くとき、SNSへ投稿するとき、クウネルを読んでいたあの気持ちを片隅に置いておきたい。
もう復刊はないだろうけど、こうして読者の中に大切なものが残されている。すごいことですね。
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