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短編『何も気にならなくなる薬』その216

〇〇気質といった言い回しがある。
職人気質とかアスリート気質。
いい意味で捉えて良いのだが、どこか堅そうなイメージがある。
だがよくよく考えると誰にしも気質というものはある。
気質とまで言わなくても、これは他人に否定されたくない、口を出されたくない。
そういったものはある。
しかし、他人というのはある種、自分よりももっとも自分をみてくれる存在でもあるので、他人にとやかく言われるのはまだ幸せな方なのだろう。
自分が何をどう大切にしていて、また何が口を出されたくないのか、喜怒哀楽のきっかけを完全にコントロールしろとまでは言わないが、もう少し理解することは必要なのかもしれない。
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自信のあることを失敗する。
これは大切なことだ。
天狗にならないこと。また、もっと良くするにはどうしたら良いか考えるきっかけになる。
自信があるから人前で披露する、また人の目に付く場所にそれを投稿する。
「自分としては上手くいったつもりだったけど」
大体の物事がそうだ。
自分がいいと思っていても、他人からはよくなかったり、自分がイマイチだと思っていたものが好評だったりする。
自分だけ、他人だけの評価で考えないほうがいいのかもしれない。
自分だけだと塞ぎ込むだろうし、
他人だけだと機嫌を伺い過ぎてしまう。
言葉にすると簡単だが、それの比重はだれも教えてはくれない。
自分なりの比重を見つけていくしかないのかもしれない。

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誰かに料理を振る舞うことは楽しいことだが、それを無理に食べさせるのは、はっきり言ってエゴだ。
喜ばせるという行為は一方的なところから始まる。
迷惑を先に考えてしまえば、何もしないのが最善手になる。
人を喜ばせたいというのは、おそらくは自分にもいつかそういう良いことがあると信じたいからこそ、他人にそれをするのかもしれない。

善意は世の中へ対する期待なのかもしれない。

美味しいご飯を食べます。