短編『何も気にならなくなる薬』その297
「彼が電磁石を用いて自作したコイルガンが、自然現象に影響を与えている」
「というと」
「知っているとは思うが、コイルガンとは電磁石に電流が流れることで発生する磁力を用いて、金属性弾丸を発射する銃のことだ。 今の法律では所持することも禁じられている」
「彼がそれを自作したと」
「若者の好奇心が偶然にも法を破ったに過ぎない。ましてや彼はそれを人に向けて撃つ考えもなかった。もとより彼はロケット研究の一環でその仕組みを活用したに過ぎない。ただそれを扱う角度が地上に対して垂直か水平かの