魚亭ペン太(そのうち公開)

落語好きのペンギン。 趣味の日記やら詩やら文章を書きます。

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読書の苦手な人へ

厚かましい話ですが、読書が苦手な人へのアドバイスというか、楽になる考え方「読書してみようかな」むしろ「別に読書ができなくてもいいんだ」くらいの気持ちにできたらいいなという感じで記事を書きます。 もちろん持論ですから話半分に聞いてください。これから話す内容もそういうものです。 まず、読書は身構えるものではないんです。 例えばこんなふうに身構えてませんか? 読書は集中力が続かないと読み進めることができない。だから他人と比べて「読書が苦手」=「自分には集中力がない」とネガテ

    • 短編『何も気にならなくなる薬』その297

      「彼が電磁石を用いて自作したコイルガンが、自然現象に影響を与えている」 「というと」 「知っているとは思うが、コイルガンとは電磁石に電流が流れることで発生する磁力を用いて、金属性弾丸を発射する銃のことだ。 今の法律では所持することも禁じられている」 「彼がそれを自作したと」 「若者の好奇心が偶然にも法を破ったに過ぎない。ましてや彼はそれを人に向けて撃つ考えもなかった。もとより彼はロケット研究の一環でその仕組みを活用したに過ぎない。ただそれを扱う角度が地上に対して垂直か水平かの

      • 短編『何も気にならなくなる薬』その296

        生まれ故郷に帰る。 といっても仕事で偶然立ち寄っただけだ。 なにより身内は誰も住んでいない。 肩書だけの生まれ故郷というのはどことなくさみしくもある。 しかしたしかに記憶にはある。というのも年に一度祖父の家に泊まりに来ていたからだ。 公園を埋め尽くす雪。 近所に子供も少なかったからそれを兄弟と二人じめ?できたことだ。 しかし、今、誰かを訪ねる理由もない。 とりわけ友好関係もないので戻る理由もない。 本当に戸籍上の故郷でしかない。 さみしいものだ。なにかの縁で人付き合いが増えた

        • 短編『何も気にならなくなる薬』その295

          スマホゲームはほどほどにとわかってはいるのだが、どうにも手を出してしまう。 とりわけ「ポケモンカード」のアプリはリリースされたばかりでまだ遊べるから仕方ない。 この手のゲームは新しい要素が増えるにつれてパワーバランスが崩れていって、特定のカードを持っていないプレイヤーは圧倒的に不利になる。 所詮ゲームといえど、ゲームだからこそプレイヤーは勝ちたい。 公平性の弱い負けが既に見えているゲームに人は集まらない。 「つよい ポケモン よわい ポケモン そんなの ひとの かって

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          短編『何も気にならなくなる薬』その294

          〜ポルターガイスト 日本酒、衝動買い 60兆円、学級閉鎖〜 「またこんな衝動買いをして」 「違うんだよ、これはポルターガイストで、決して買ったわけじゃないんだ」 「どうして鉄道模型ばかりがポルターガイストで飛んでくるのよ」 神様のイタズラで選ばれた人間には、欲しいものがそこに現れるという現象が起こるようになった。 なかでも一際ニュースになったのは、体育館に総額60兆円の札束があふれかえったがために、学級閉鎖ならぬ学校全体が閉鎖されることになったことだ。 果たしてコレ

          短編『何も気にならなくなる薬』その294

          短編『何も気にならなくなる薬』その293

          〜アクセス、ドレスコード、追加、ユニフォーム、導入〜 「今回のドレスコードは」 バラエティ番組のそれは様々なテーマを与えられた芸能人がどのような格好をするのか、またその言葉を捉えるのかを楽しむ趣旨だ。 「ユニフォームです」 バックモニターにデカデカと歓声とともに現れる。 「それでは早速登場していただきましょうどうぞ」 芸人たちが次々にランウェイを模した会場に並びだす。 各々が過去にやっていた部活や現在進行形でやっている趣味のスポーツのユニフォームを着ている。 中には想像もつ

          短編『何も気にならなくなる薬』その293

          短編『何も気にならなくなる薬』その292

          〜改める、サツマイモ、杞憂、長所、田植え〜 「そんなことは杞憂じゃよ」 じいちゃんはそう言って田植えに戻っていった。 好きなことを商売にする。そんなことが夢物語だと言うことはわかっているつもりだ。 でも、誰もそれを挑戦しなくなったらますます何もできない環境を作ってしまう。 地元のさつまいもを活用したスイーツで町おこしをと始まった企画は、始めのうちは誰もが賛同をしていたが、いざ始めてみると誰もが尻込みをしてしまった。 「それはあなたが一番得意でしょう」 いつの間にか梯子で登ら

          短編『何も気にならなくなる薬』その292

          短編『何も気にならなくなる薬』その291

          単語ガチャで出た単語をジャーナリングしつつ話を考えてみる。 「報告書」 私の経歴上、報告書というものは書いたことがない。 それらしいものをあげるとすれば、 飲食店だと仕入れの伝票がそれにあたるだろうか。 とにかく報告をするような事がないような生活だった。 出来事を書き起こすという点ではココが報告書代わりだろうか? 〜 「これ、悪いけど報告書、書き直してもらえる?」 「駄目ですか」 「いや、これでも構わないけど上に見せる以上これはマズイでしょ」 「そうですかね、画期的な報告

          短編『何も気にならなくなる薬』その291

          短編『何も気にならなくなる薬』その290

          タイトル「研究のため」 「キミはいつもあの研究室に出入りをしているね」 「はい、先生のことを尊敬してますから」 「そうか、そんなキミに言うのもなんだが、いや、そんな顔をしないでくれ、あくまでこれは私が耳に挟んだことだ」 私の忠告が彼の耳に入ったどうかは言うまでもない。彼は顔を赤らめ研究ノートを抱きしめて駆け出していってしまった。 あの科学者の求めるものは実験とその結果だ。実際にその理論を広めて活用するのは世の中で、あの人物が世の中に対して何かしらの関心を示した試しはない。

          短編『何も気にならなくなる薬』その290

          短編『何も気にならなくなる薬』その289

          タイトル「一日を締めくくる」 本を読んでいると時折同じことをまた言っているなと感じる時がある。 特に歴史の文献などはその傾向があるのではないか。 読み始めの内容を忘れてしまうから読者の理解を深めるためには仕方ないが、なんかこう水増しされた気がしてならない。 かくいう私も何かを書くにしても水増ししていることは変わりない。 表現に個性を出すにはやはり肉付けをしていくしかないのだろう。 さもなければ小学生の日記のように「今日は楽しかった」の一言で終わってしまう。 逆に今の大人は

          短編『何も気にならなくなる薬』その289

          短編『何も気にならなくなる薬』その288

          役立たず 男の子 二度寝 ジリリリリ、ジリリリリ、ジリリリリ、けたたましく目覚まし時計が鳴り響くが何の役にも立たない。 長年の付き合いが慣れを引き起こしてか、彼を眠りから覚ますことができない。 しまいには頭を引っ叩かれ、二度寝という屈辱的な行動まで取られてしまう。 目覚まし時計が立ち上がり、男の子の枕元を飛び跳ねる。 聞く耳を持たないならとお腹の上を登ったり跳ねたり。 しまいには頭突きを食らわせる。 「痛っ」 男の子が頭を抑えて起き上がる。 「目覚ましが落ちてきたのか」

          短編『何も気にならなくなる薬』その288

          短編『何も気にならなくなる薬』その287

          おばさんの家に来ると不思議と落ち着く。 どこか時間の流れが違うような気がする。 自分だけが子供なのだと思えることがこんなにも楽だとは思わなかった。 下に弟が二人。 慌ただしい両親の声を聞かなくていい。ただ静かに過ごしたい僕にとってはここは何より楽園だった。 「上着ここに掛けとくからね、帰るとき忘れないように」 いくつになっても子供扱いをするおばさんは一人暮らしだ。前に旦那さんがいたらしいけれども会ったことはない。子供もいない。僕が出会ったときからおばさんはおばさんだ。 「今日

          短編『何も気にならなくなる薬』その287

          短編『何も気にならなくなる薬』その286

          タイトル「人の目」 車の運転席、普段は気にも掛けないが、どんな過ごし方をしているのか観察をしてみるとその一瞬というものは面白い。 真面目に運転している人もいれば、中には熱唱をする人、助手席の恋人といちゃつく人、何かを食べながら、タバコを吸いながら運転する人。 いろいろな人がいる。 本当なら真っ当に運転するべきものであるのだが、人間の慣れというものはどうしてもこうしたプラスαを付け足してしまう。電話をしながら、スマホで調べ物をしながら…… ドライブレコーダーの存在が確かな証

          短編『何も気にならなくなる薬』その286

          短編『何も気にならなくなる薬』その285

          話し相手の重要性というものはなかなか難しい。 人というのは自分のことを話したがる代わりに自分のことを勝手に話されることを怖がる。 お化けや幽霊と一緒だ。 見えないものが最も怖い。 なんなら人間が一番こわがるのが陰口というやつだろう。 そして同じ会話ができるだけの相手となると、 それなりの条件が必要になる。 同じ悩みを抱えるとか、同じ秘密があるとか、 バーで一緒になって喋るならお互いの寂しさを紛らわせる相手。 そういった同等ないしは近しい存在が欲しいのだ。 しかし、近頃は人

          短編『何も気にならなくなる薬』その285

          短編『何も気にならなくなる薬』その284

          続けたら何かしらになるのではないか、そんなことを考えている人達が「毎日投稿」という肩書に満足している。 できる人達にとってはそれは当然でもあり、またそれに言及している私は現にできていないのが事実だ。 でもそれは辞めた途端に価値を失う諸刃の剣ではなかろうか。 他人にアレコレいう私もその〜と回数を書くことで満足している節がある。 皆が皆、自分のなかで満足する方法を見つけて程よい空間にしている。 言ってしまえばぬるま湯だ。 中身が伴っていないことが殆どだ。 毎日やることなんてのは

          短編『何も気にならなくなる薬』その284

          短編『何も気にならなくなる薬』その283

          人は疑り深いものだ。 というのも、自分の思い通りに世の中が動かないことをよくよく知っているからだ。 それを知らない人達は癇癪を起こし続ける。 赤ん坊が泣くのはそれ以外の表現がないからだ。 母親はそのタイミング、顔つき、時間帯によって赤ん坊の機嫌をとる。 だというのに私達は表現を諦め、伝えることを諦めてしまう。 結果、自分一人で物事を進める。 聞く耳を持たない。 そんなことでこれから百億人を迎えるかもしれない世界人口の中でやっていけるのだろうか。 まぁ、実際にはそのうちの一億

          短編『何も気にならなくなる薬』その283