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短編『何も気にならなくなる薬』その218

「感情」

「チューリップ」

「花鳥風月」
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花鳥風月、自然の美しい風景のこと。
最近見た景色を思い出そうとするも、
どうも地下鉄が思い浮かぶ。
それくらい地下を移動している時間が長い。まるでモグラだ。
運動も兼ねて歩くこともあるが、どうもその自然という自然に出会う機会は少ない。
チューリップなんて最後に見たのはいつだろう。
絵や写真のチューリップは簡単に思い浮かぶかも知れないが、実際に見た記憶は朧げどころかないに等しい。
記憶は感情と結びついてると聞いたことがあるが、そうなのかもしれない。
チューリップよりも枯らしてしまった観葉植物のことのほうが覚えているし、部屋に飾った花束のことは思い出しただけで懐かしくて嬉しい気持ちになる。

私達はもっと物事に感情を動かすために自然をみるべきなのではないだろうか。
地下鉄の窓から流れていく灯りを眺めながらそんなことを考える。


月に一つは映画、ないしは本、芸術に触れることを目標にしているのだが、
今回は映画を観た。
「七人の侍」だ。
今更かもしれないが、観ておくべき作品だった。
ストーリーもわかりやすく、
人間は単純なものではないこと考えさせられた。

これをきっかけに次は
「隠し砦の三悪人」を観ようと思う。
つまるところ黒澤明作品の面白さを今更知ったのだった。

美味しいご飯を食べます。