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飼っている

僕は猫が好きだ。

だからといって飼っているわけでもない。

飼いたいと考えたこともあったが、ペットショップで運命的な出会いはなかった。

彼らは見た目として可愛くはあったが、その檻から出た姿を想像できなかったのだ。

好きだからといって、必ずしも一緒に住む必要はない。

何日か通ううちにそういう気持ちになったのだ。

愚痴を吐くあの人は、想像していた生活と現実の目まぐるしさ、この2つがかけ離れていることに対して気に食わなかったらしい。

癇癪を起こして部屋を出ていった。

だからこれは悲しさの埋め合わせだ。

空のおもちゃ箱を持て余す子供のようにして、そこに一匹の猫を入れようとした。

一声でも可愛く哭けば、ためらったかもしれない。

けれども、気だるそうに寝ていて、私の期待には答えてくれる様子もなかった。

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