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短編『何も気にならなくなる薬』その148

二月、新年早々目標を立てながらも折れてしまう時期だ。今年もそうかと思ったがなかなか続いている。
大体、目標というものは大きく立て過ぎだ。短い期間やちょっとしたことを目標にするだけで難易度は変わってくる。
などとだいそれたことを言っているが、そんな事が言えるのは続けているうちだけだ。
まずは続けないとなんの説得力もない。
そんな自分に言い聞かせるためにとりあえず一ヶ月。
理屈としては摂取kcalと消費kcalの差を作れば痩せるそうなので、極端な制限はせず、毎日のしっかりバランスの良い食事で2000kcalに設定。
代謝諸々で消費を2200kcal。
一ヶ月で約7000kcal減らせた。
ざっくり1キロくらい痩せたことになる。体重計には乗っていない。一喜一憂するのが見えているからだ。
実際にやってみて思うのが、なかなか摂取を2000kcalに抑えるのは難しい。
2月からは2100kcalくらいを目安にして、その分運動を取り入れることにする。
パット見だがボディラインが細くなった。
月に一回経過を記せるように続けていく。

さて、今回の題はこの3つ。

「悶絶」

「角を取る」

「いろは歌」


いろは歌。かな文字を重複させずに作った七五調の誦文(ずもん)のこと。んは使わない。

「よみはたそしるゆめなかに
ものふけひとのおつくらせ
あさますこえをないほうへ
ねむれりおきろまわすての
ぬれやみち」
「なんだその歌は」
「角を取るよ」
「あ、待った」
「今日は待ったなしだろう」
「ぐぬぬ、この盤面は酷い、悶絶しそうだ。……いや、これはどうにか、うーん、いや、私の負けだ。ところでさっきのいろは歌はなんだ?聞いたことがないぞ、お前が作ったのか?」
「いいや、息子が作った」
「お前の子が?こりゃ鳶が鷹を生んだな」
「いや、なんてことないいろは歌だよ」
「そんなことはないだろ、よく出来てる。もう一度頼むよ」
「よみはたそしるゆめなかに
ものふけひとのおつくらせ
あさますこえをないほうへ
ねむれりおきろまわすての
ぬれやみち」
「よく出来てる、で、これはなにを歌ったんだ」
「ねしょんべんだよ」

美味しいご飯を食べます。