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ビジネス本から学ぶ②<最強チームのつくり方>

 教育現場では、異動がつきもので、年度ごとに一緒に働くメンバーが多々変わる。その中で今年度は特に、コロナの影響もあってか、教員同士の会話が少なく、職場の雰囲気に重苦しさを感じる事が幾度もあった。もともと性格的におとなしいメンバーがそろったからか、今年度は特に教員室内での空気が重く感じられた。
 
 そんな状況の中で手に取った書籍。

ダニエルコイル 著<最強チームのつくり方>

 主な構成は以下の通り。

  • 1.安全な環境をつくる

  • 2.弱さを共有する

  • 3.共通の目標を持つ

<結論>
①安全な環境のもと、②弱さを共有できる雰囲気があり③その仲間たちが共通の目標を掲げていれば最強チームになれる。

 私たちは、チームの能力を予測するとき、個々のメンバーの能力に注目してしまう。しかし、一番大切なのは、個々の能力ではなく、メンバー同士の相互作用だ。

P25 2足す2が10になるとき

 今の職場では、みんな個々に仕事を進めて、教員同士の相互作用をあんまり感じられない。自らにも責任があることを日々感じている。
 個人の力には限界があり、あらゆる人が相互に影響しあうことで、チームの力は何倍にも膨れ上がる。

スキル1<安全な環境をつくる>

 最近よく耳にする言葉「心理的安全性」
 最強チームをつくるにあたり、最も重要なことも、それにつきる。自分を受け入れてくれる、自分の意見を尊重してもらえる。そういった環境のことを安全な環境といえるだろう。
 不平、不満をもらしたり、ネガティブで空気を重くする腐ったリンゴには、それを中和してくれるおいしいリンゴが必要なのだ。
 
 チームパフォーマンスは下記の要素の影響を受ける。
①チームの全員が話し、話す量もほぼ同じで、1回の発言は短い。
②アイコンタクトがさかん、伝え方にエネルギーがある。
③リーダーだけに話すのではなく、メンバー同士で直接コミュニケーションをとる。
④個人的な雑談がある。
⑤定期的にチームを離れ、外の環境にふれ、それらを共有する。

 「何かの言葉が人を動かすことはめったにない。言葉は言葉でしかないからだ。しかし、仲間が何かのアイデアに熱中しているのを見ると、自分の態度も変わる。そうやって知性が生まれ、文化が築かれていくんだ。」
 …チームのパフォーマンスを決めるのは、「ここは安全な場所だ。そして私たちはつながっている」というメッセージを伝えるしぐさや態度なのだ。

P53 チームに必要な環境

 成功しているチームは、みんなハッピーな仲良しグループと思われていることが多いが、それは大きな誤解だ。彼らの目的はハッピーになることではなく、難しい問題を解決することだ。そのために彼らは協力し、努力を惜しまない。

P116 帰属意識の育て方

 決して仲良しこよしグループをつくりたいのではない。ただ、自分を開示できる安全な環境が、教員間にも必要で、その関係性が、あらゆる問題を、みんなの力で解決に導く手助けとなる。
 特に自分がリーダーにあたるのなら、早い段階で自分の弱さを認めることが大切。(うちはこれが弱い。。。権威主義的な上司。。。)

スキル2<弱さを共有する>

 自分の弱さを見せる。これが自然とできれば、不安や恐怖を忘れ、お互いに信頼し、協力できるようになる。
 その信頼感が「強がらなくてもいいんだ」という安心感につながる。
 今の職場はどうだろう。弱さを見せたくない。だから自ら抱え込む。その結果、ことが大きくなる。そいった場面が多いように感じる。特に経験が浅い教員ほどそのループに落ちている気がする。中堅である自分の責任でもあるのだろう。。。
 弱さを見せているときには、「共感」がなにより大事。次の会話の内容を考えたりしてはいけない。とにかく聞く。聞いて聞いて聞きまくる。
「価値のあることを言いたい」という衝動は抑える。

スキル3<共通の目標を持つ>

 モチベーションは個人の資質ではなく、「自分のいまいる場所」「行きたい場所」という2つの対象に注意を向けるというプロセスの結果である。
 物語は現実を覆い隠すのではなく、現実を創造する。物語に触発されてモチベーションが生まれ、それが行動を引き起こし、やがて理想が現実になる。

P305 チームの価値観と目標の共有

「うまくいってないチームでは、誰もが責任を逃れようとしているのが、態度でわかる。または、心を閉ざしてしまっている。部屋が静かすぎるというケースもある。アイデアが浮かばない。または、問題があっても見つけられない。」

P363 [創造的なチームの作り方」

 本当にこれ。今の職場は静かすぎる。心を閉ざしてしまっている。この状況にみんなが違和感を抱き、改善に向けて進んでいきたい。

 読後の感想としては、まさに求めていた答えがたくさん詰まっていたという感じである。
 ピンポイントであらゆる問題を解決しようとするのではなく、その問題を解決しようとするチームの力、関係性をまず改善すべき。それこそがあらゆる問題を改善していく一番の近道なんではなかろうか。
 
 学ぶことをやめたら教えることをやめなければいけない。


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