"うつ予防を考える"ってそんなに嫌煙されることなの?

私は常々思ってるんですが(©久能整)、「うつ=腫れ物」という雰囲気はいつになったらなくなるのでしょうか?

なぜもっと、良い意味でフランクに話題にしてもらえないのでしょうか?

だってさ、「休んだらいい」が浸透してきたのはいいことだけど、「休む必要がない」に越したことはないじゃないですか。

(悲しいことに)世の中にたくさんいるうつ患者のなかでも、もしかしたら私は軽いほうだったのかもしれない。もっと深く沈んでしんどい思いをした人はきっとたくさんいる。

それでもやっぱり、あの沼なしで健やかに居られたなら、もっと良かったのになとは思うんですよ。

もちろん、休職期間は無駄じゃなかったですよ。しっかり休めたことで、こうやって今、また元気に前を向いていられるんだから。

だけど、あそこまで沈まないと、今の状態にたどり着けなかったかというと、そんなはずはないんですよ。

そりゃあ誰だって、生きてりゃもがくことはあります。この世は複雑すぎて、葛藤だらけです。ちょっとした苦難は、たしかに人生には必要な経験です。

だけどさ。

思うように頭が働かなくなったり、何をしても心から笑えなくなったり、何もないのに涙が出たり、ある日、とんと布団から起き上がれなくなったり。

そんな状態に陥ることも「人生経験」だなんていえるんでしょうか?

そこまでに踏みとどまれるポイントが、絶対にいくつかあったはずなんです。

ただ、特に頑張り屋さんは、ひとりでなんとかしようとするから、そのポイントに気づけなかっただけ。

一応復活を遂げた今、客観的に振り返ると心底そう思うんです。

だから、私は常々思ってるんですよ(©久能整…もういいか)、うつの一歩、いや、できれば何歩か手前で、傾きをぐいっと引き戻す仕組みを真剣に考えたほうがいいって。

noteやTwitterでもよく、うつと付き合う人のことばが流れてくるんです。(オススメ機能というかアルゴリズムって優秀だよね)

そしてそれを目にするたび、なんとも言えない気持ちになります。

「つらいよね、うんうん、今はしっかり休んでね」だけでは済まないんです。

「なんで、同じようなパターンで、同じように苦しむひとが次々出てくるの?」とやるせない気分になるんです。

私たちホモサピエンスは、学習して次に活かすことができる、賢い生き物なはずなのに。

さらには、企業でよく行われる"上辺だけのメンタルヘルス研修"を耳にすると、はらわたが煮えくり返る。

『抱え込む前に相談しましょう』?

それだけ?

それができるなら私は苦労しなかった。

なんでメンタルの対策だけは、いつまで経ってもそこ止まりなの?

……でもこんなのはきっとさ、当事者にならないと感じないことなんだよね。私も前まではふーん、くらいにしか思わなかった。

だから、人事部だか労務部だかしらないけど、彼らも悪気があってやってるんじゃないのよ。

そう伝える以外にやりようが思いつかないんだろうよ。

だけど、私は何かしたいの。

したいんだけど、どうしたらいいのか、何をしたらいいのか、ひとりで考えていても、なかなか形にまとまらないんです。これかも、というものが出てこない。

でさ、周りの人にやんわり投げてみるわけですよ。一緒に楽しく考えたいな〜そしたらピンとくるアイデアが出るかな〜、なんて思って。

でも実際はね、それまで楽しく談笑していたはずなのに、急に歯切れが悪くなるんです。

「ふーん、そっか」「うーん、まあ、ねぇ…」「分かるけど、難しいよね」「こっちも引きずられかねないよね」

しかもなぜかみんなバツの悪そうな顔をする。あなたたちは別に何も悪いことしとらんやろて。

もうそれはそれは、面白いくらいに空気がよどむんですよ。

そして「あーやっぱりメンタルの話って地雷なんだ」「みんな心の底では嫌煙してるんだ」とヒシヒシ感じるんです。

そんな場面を何度も味わうと「休んだらいい」が浸透してきたんじゃなくて、「『休んだらいい』ってことにしとかないと厄介だから」ってだけなんじゃないか、とすら感じる。

ねえ、そんなに腫れ物扱いして、煙たがって何になるの?何かが良くなるの?

臭い物に蓋をしてるだけじゃないの?

たしかにあまりにも深く関わると、助けようとしたほうも引きずられるから、難しいのは分かる。精神科医や専門家に任せよう、と思う気持ちも分かる。

だけどさ、身近に沈みかけてる人がいても、そう思えるの?

パートナーや友だち、子ども、親。いつも隣で笑っているあなたの大事な人も、もしかしたら本当は、ひとりで必死に暗いものと戦っているのかもしれない

そう想像したら、どうにかしたい、助けたい、いや、助けるなんておこがましいけど、せめてひとりにはしたくない、そんなことを思わない?

………いや、そうとも限らないか。

身近な人だからこそ、どうしたらいいか分からず、蓋をしたくなるのかもしれない。

実際私も、うつと分かってからも、一番そばにいた家族には腫れ物扱いされている感じがしたもんな。

んんんんん……

でも、だからこそ、なんですけどね。

当事者側の気持ちを一部でも知っているから、世間の雰囲気を少しでも変えたいと思ってしまうんですよ。

私に何ができるかは分からない。

だから、もうちょっと真剣に、でもフランクにみんなで話さない?って思ってるんです。

"うつは心の風邪"というのは、完全には受け入れられないんだけど(症状の重さや寛解までの道のりは、てんで比べものにならんやで✋)、予防するという観点で考えると正しいなとは思うんです。

喉が痛いとかちょっとだるいと思ったら、温かくして早めに寝たり、葛根湯飲んだり、ちゃっちゃと病院に行ってしまったり。

身体の風邪は、予兆の段階で、悪化しないように、気軽に対策できるじゃん。

同じようなことを、心にもしてあげたいって話じゃん。

でも心に置き換えるのが難しいのは、予兆が風邪ほどはっきり分かりにくいからじゃん。

だから周りが、というかお互いに・・・・気にし合えたらいいって話じゃん。(言っときますけど、あなただっていつ沈むか分からんよ?私は大丈夫とか高を括らないほうがいいよ?何が心を襲うか分かんないからね?)

それをこうもっとなんかさぁ!!!!

良い意味で軽くというか、前向きに考えたいだけなんですよぉ!!!!

仕事で企画をブレストするみたいに、みんなでああでもないこうでもないと話して、それらしい答えを探したいだけなんですよぉ!!!!

うつ経験者が考えればいいとか思うかもしれないけどさぁ!!!!

そんなの分断を進めるだけじゃんかぁ!!!!

みんなで話したいじゃんかぁ!!!

うつ経験してない人のアイデアも大事じゃんかぁ!!!

なのに、嫌煙されるから。私はかなしい。

このブレスト、一緒にやってくれる人、この指とーまれ☝

***

念のため言っときますが…すべてのうつ経験者がこう思ってるとは限りませんからね。

くれぐれも、うつでひと括りにしてみんな同じだと決めつけたりしないでね。

考え方は人それぞれ。

それは、うつだろうがそうでなかろうが同じことですよね。

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