ショートムービーでニュース配信「Pear Video」 テンセント、バイドゥから105億円調達
テンセント、バイドゥ 「Pear Video」へ出資
ニュースを中心とした中国のショートムービープラットフォーム「Pear Video(梨视频)」がAラウンドで6.17億人民元(105.3億円)の資金調達に成功した。リードインベスターはテンセント(Tencent)で、バイドゥ(Baidu)も参加した。2017年11月、「Pear Video」は、プレAラウンドで华人文化产业基金(China Media Capital)と人民网(人民網)から1.67億人民元(28.5億円)を調達していた。
ショートムービーでニュース配信「Pear Video」とは
「Pear Video」は2016年11月にリリースされた。世界中にコンテンツ制作人材のネットワークを抱えている。現在、1日に約1500万本のショートムービーが作成されており、1つの動画時間は30秒から3分ほど。1日あたりの再生回数は、10億回以上だ。
「Pear Video」の動画が毎日10億回視聴されるには訳がある。「Pear Video」は、エンターテイメント系コンテンツだけではなく、”ニュース”を配信するプラットフォームでもあるのだ。このニュースコンテンツは、主にプロフェッショナルによって取材・撮影・編集されたもの(PGC : Professionally Generated Contents)なのだ。たとえば、前回の米国大統領選では、「Pear Video」がヒラリー氏およびトランプ氏の選挙本部内部の撮影をしていた。 撮影に使用した機材や人材レベルはプロのニュースメディアと同等で、素人がスマホで撮影したショートムービーとはクオリティが大きく異なる。
ニュースメディアとしての信頼
実は、「Pear Video」の創立チームはニュースメディア出身なのだ。そのため、中国国外の有名メディアからも信頼があり、ニュース動画配信のチャンネルとして使用されている。現在、中国で人気の動画アプリといえば、「TikTok(抖音)」、「Kuaishou(快手)」、「Huoshan(火山小视频)」、「Meipai(美拍)」だが、これらはエンターテインメント系コンテンツが中心である。「Pear Video」は、これらの動画配信プラットフォームと直接的な競合関係にはないようだ。
今回の調達資金は、高品質なコンテンツ制作ネットワークの構築・拡大、ビジネスモデルの改善に努める予定だ。
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