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妊娠・出産後フリーランスになったわたしの話。

5年前、妊娠がわかった時。

私は不安で、押しつぶされそうだった。

というのも私はほぼ同じタイミングで会社を辞め、
フリーランスとして独立したばかり。

妊娠しても仕事はちゃんとできるの?

子連れで無名の私に、
コピーライティングの仕事がくるのかな?

「妊娠すると幸せ」って聞いていたけど、
当時まあたしかに幸せだったのかもしれないけど、
それよりもこれから押し寄せる未知なる不安が
ドン!と前に立ちはだり何も見えなくなっていた。

その不安をカテゴライズすれば、
#出産 #妊娠 #独立 #お金 #保育園探し
など、複数のハッシュタグをつけられそうな状態。

夜になると「フリーランス 育児 両立」とか
「保育園 0歳」など、スマホでぼんやり検索する日々。

つわりで思うように動かない体も、
不安定な気持ちも、どっちもすごく重かった。


でも、5年後の今の私は。

なんとか2回も出産して、毎日バタバタだけど、
元気にそれなりに楽しく生きている。
悩むこともあるけどね。

仕事も年々、ご縁をたくさんいただいて、
子どもがいなかった時以上に、全力投球できている。

独立してダメならすぐ転職活動をしようと思った。
でも周りの人に支えられながら、
なんとか5年間やってこられている。

今年からは念願だった、法人にもなった。
長い間育ててくれた両親には、
車をプレゼントすることもできた。
国産の小さな車だけどね。


私は業界で有名なコピーライターでもないし、
会社員時代に「営業成績No.1」みたいな
ヒーローだったわけでもない。

でもなんとか、
自分のできることを1つ1つ増やしながら、
子どもと一緒に成長しているような気がする。

じゃあ、どうして?
どうしたらそうなったの?

きっと5年前の私がここにいたら
質問したくなる気がしたので、
今これまでを振り返って書いてみようと思う。

フリーランスになる方、妊娠出産を悩んだり、
不安になっている方に届けばいいなと思っている。

フリーランスは「厳しい」より「甘い」

独立してから読んだ記事で、衝撃的なものがあった。

フリーは現在のスキル・リソースの切り売りだ。それ以上も以下も期待されない。ぶっちゃけリスクが伴う仕事は責任を取れる会社に発注するし、期待したことが出来ないようであれば取引を中止するだけだ(実際は納品まではしてもらうけど次発注することはない)。
ジャンプすれば届くかなというボールは投げない。でも一度でもボールをキャッチし損ねたら終わり。しかしそれはフリーにはわからない。発注主は自分たちの経験の糧にはするが、わざわざ伝えないのだ。育てる義務はない。お金を払っているから期待して色々言うのではなく、お金を払っているからこそ何も言わないのだ。残酷な話だけど。

サラリーマンだったら1度失敗しても、
上司がアドバイスをくれたり、怒ってくれたり、
2度・3度とボールを投げ直してくれることが多い。

しかしフリーランスはそうはいかない。
失敗したらもうそれまで。怒ってくれる人なんていない。
制作費という名の「手切金」が渡されておしまい。

それは厳しいように見えるけど、結果としては
自分の守備範囲にしか仕事がこなくなり、
自分に甘い仕事をしてしまうようになる、という内容だ。

たしかに、私にも苦い思い出がある。

ただ「甘くなりがち」という傾向さえつかめたら、
あとは自分で塩やスパイスを意識的に混ぜて調整できる。

私の仕事は結果が数字となって現れるものが多いので、
とにかくその数字を上げることだけに集中した。
結果、数字がよければ「また小森谷にお願いしたい」と
指名で仕事をもらえることが増えてきた。

コピーのアイデアが必要な時は、
会社員時代に考えた数が100だったとしたら、
200は考えて提出した。数では絶対に負けたくない。

数を出しているうちに
「こんなアイデアも出るんだ私!」という瞬間もあり、
それはちょっとした成長につながった。

会社員時代は「すみません」ですむこともあった
締め切りの延長は、
フリーランスでは厳禁だと心に誓った。

会社員時代よりも良い緊張感があることで、
仕事のパフォーマンスにも反映されている気がする。


仕事のできる不機嫌よりも「ご機嫌」になる

そして私がフリーになってちょこっと意識しているのは
「誰に対してもご機嫌でいる」こと。
年上も、年下も、クライアントも、同僚も、みんな等しく。

4歳の息子に言ってるみたいだけど(笑)

でも私が一緒に仕事をするとしたら、
絶対にご機嫌な人がいい。
仕事はできるけど不機嫌な人より、断然。

それはなぜ?

不機嫌な人に接する時、私たちは
「私の何がマズかったかな?」と
余計な心配をあれこれ考えてしまう。
メールする時だってビクビクしながら、
何時間も文面を考えちゃったりする。

どんなに仕事が速くてできる人でも、不機嫌というだけで、
周りの人たちの時間・労力・気力を消費させてしまう。
それは会社のコスト減に直結する。

だからこそフリーランスで会社から
「選ばれる」立場の私としては、
ご機嫌でいる以上に会社に貢献できる方法はない。

その方が前述のフリーランスの弱点
「誰からもミスを指摘されづらい」という状況も
克服しやすいのではないかと思っている。

私は失敗してしまった時、
「もしよかったら改善点を教えてもらえませんか?」
聞くようにしている。
ご機嫌な状態で前向きにたずねると、
案外、教えてくれることも多いものだ。


育児で毎日に「締め切り」があるメリット

独身時代は毎日夜遅くまで働いていたので、
子どもができたあとの日々がとても心配だった。

「仕事する時間は少なくなるし、
まだペーペーなのに、
私のコピーライター人生は終わっちゃうのかな」

そう思ったりもした。
でも結論からいえば、そんなことはなかった。

育児生活は、毎日に締め切りがあるようなものだ。

たとえば朝、保育園に子どもを送って行ったら、
夕方のお迎えの時間までがその日の仕事の締め切り。

締め切りの直前でなければ
集中モードに入れない私にとって、これは好都合(笑)
夕方という締め切りに向けて、
ダーッとやるべきことを片付けていく。

独身時代は「残業すればいっか」と、
なんとなく日中は仕事することも多かった。

でも今は残業という選択肢はない。
たまに「残業できる」となった日は、
ウキウキしちゃうくらい特別なものだ。

そして「気分のリセット」ができることも、
育児と仕事を両立するメリットだ。

仕事でボロボロに疲れたら、子どもが癒してくれる。
育児でイライラしても、仕事に没頭すれば、
そのうち子どもに会いたくなる。

フリーになった今、たしかに会社員時代より
働く時間は少なくなったけれど、
仕事量はその時よりはるかに多くなった。

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フリーランスになってからの5年間を振り返ると
そこにはやっぱり「子ども」がいたから
変えざるを得なかった点が多い。

仕事への真剣度、時間の使い方、取捨選択、
そして「子どもを守らなきゃ」という意識。

変えてから慣れるまで時間はかかるけど、
こうして仕事と育児を両立するのは
思った以上にけっこう楽しい。

育児でも仕事でも、
そこじゃなきゃ出会えなかった人がいるし。

すべて結果論でしかないけれど、
もし今妊娠や出産で悩んでいる方がいるとすれば
「きっと思いもよらぬ素敵なことにめぐり逢えるよ」と
声をかけたいなぁと思う。

これはあくまで私の場合ですが、何か少しでも
参考になったら嬉しいです。
(よかったらスキ♡押してくれるともっと嬉しい。笑)

ではではまた。

小森谷 友美

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