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1→10人のスタートアップで行っていたマネジメント施策5つ

ハグカムを立ち上げたときに決めたことがある。
「メンバーが10人になるまではマネジメントはしない」と。

教育事業をやってるだけあって人の成長はよだれが出るほど好きだし、サイバーエージェントでも人事や組織活性化の領域は得意としてきたからこそ、ここを意識しないとついついそっちに時間を割いてしまう。
兎にも角にも、事業に集中する。採用するのも自走ができる人。そう決めてました。

組織論的にも、30人の壁、100人の壁というのはあるあるなので、人数で区切りをするのはまずは10人かな、と。

マネジメントに時間を割きすぎて失敗

これは失敗経験からでもあるのですが、サイバーエージェントでスマホ向けソーシャルゲームの子会社を立ち上げたとき(結果的に1年未満でたたんでしまったのですが…)、エンジニアやインターン含めて一気にメンバーが10人ぐらいになりました。
その時、ほぼ全員と週1回面談してたんですよね。マネジメントの役割だと思っていて。
それが直接的な原因ではないけど、“教育”という人生のテーマが自分のなかに既にあったなか、結局ソーシャルゲーム事業に没頭しきれず、事業成果を上げられず、自分の人生テーマとの乖離を埋めきれずに体調を崩してしまった…と。

なので、次に自分が何かを立ち上げる時には、
・本気になれる領域(=教育)
・マネジメントに時間を割きすぎない

というのを決めていました。

創業してからやっていた5つのマネジメント施策

2015年9月に会社を立ち上げ、今年9月で丸5年になります。
(5年近くかかっても10人未満をうようよしてしまっていのるのはお恥ずかしい限りなので見逃してください。。)

「マネジメントはしない!」と決めましたが、楽しく働いてもらうための最低限のことは提供してきました。

これまで、会社の制度として行っていたのは以下の5つです。

・月イチ懇親会(2016年8月~)
・月間MVP賞(2016年9月~)
・1on1(2016年12月~)
・月初会(2017年4月~)※半期MVP賞も追加
・目標設定シート(2019年4月~)

月イチ懇親会

忘年会や歓迎会、たまの飲み会はこれ以前にも何度か行ってましたが、“正式に”開催し始めたのは創業から1年後。

ちなみに、サイバーエージェントが飲み会文化だったのでハグカム立ち上げてからは飲む頻度はまぁ減りましたw
当時は週4~5日飲んでたかな。キックオフ、達成会、プロジェクト飲み、ただのチーム飲みなどなど。多いのが悪いと言いたいわけではなく、とにかく人とのコミュニケーションを重視していたことがよく分かります。(しかも飲み会は毎回超楽しかった)結果、サイバーエージェントはみんな仲良いし、どんなプロジェクトも前向きに事が進むのはこのおかげだと思います。

ハグカムでは、私が積極的に誘わなかったのもあり、「仕事終わりに飲みに行こ~」みたいな雰囲気はあまりなかったですが、月イチはみんなでちゃんと飲みたいなぁと思って定期開催するようになりました。

途中から業績連動型にしてて、事業目標の達成に合わせてグレードが変化していくゲーミフィケーションを入れました。
これはけっこうよくて、達成数が少なかったら鳥貴族。(美味しいんだけどね!来月は頑張ってもっといい肉食べようね!ってなる。)達成数が多かったら寿司とか和食コースとか高級焼肉とか。

月間MVP賞

ハグカムでは、「パンダ賞」の名前で浸透しています。詳細は画像の通り。

気軽に始めた表彰でしたが意外と好評で、🐼をもらえるとかなり嬉しい。
メンバーが増えた今は、職種やチームに偏りが出ないように表彰者選定のルールを整え、リモートでもギフトを渡せるようにギフト券に変えたりして「ベストパンダ賞」という名称にバージョンアップし、今も続いているひとつの文化となりました。

1on1

これもなんだかんだ丸3年もやっているのかぁ。月1回、メンバーと上司で1on1で面談を行ってます。

1on1ミーティング(以下1on1)とは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。1on1は、たいていの場合、週に1回、最低でも月に1回実施します。また、1回の実施時間は30分程度で設定している企業が多いようです。もちろん会社やチーム、職種によっても異なりますが、「短いサイクルで定常的に実施する」ことが通常の面談と1on1の大きな違いです。
1on1は、部下の成長を促進することが目的です。
上司が報告を求め、指摘するような「管理のための時間」ではありません。部下の現状や悩みに寄り添いながら部下の能力を引き出す「部下の育成のための時間」なのです。
そのため1on1が終わったあとに、部下が「話してよかった」と思えることが、まず第一のゴールになります。
一部抜粋:https://www.hito-link.jp/media/column/about_1on1

お恥ずかしながら会社として危機的状況が何度もあり、オフィス内のコミュニケーションだけでは悩みや不安を拾いきれないのを解消する目的で始めました。マネジメントがほぼ私だけなので、全メンバー(正社員+α)と30分ずつ面談してます。いつも30分超えてしまうけど、色々話ができるのでとてもよい時間になってます。

月初会

開発、マーケ、運営、とチームが増えてきてそれぞれの内部で何をしているのかが見えにくい。近くで働いているけど、社長や経営陣が考えていることが伝わっていない。などを解決するために月1回全員集めてスライドにまとめて報告をしています。

記念すべき最初のスライドのページ。

各チームリーダーにも報告する箇所を作り、途中からGoogleスライドで各自付け加えてもらうようにしました。うまくいったことや、これが大変だった、などを公式の場で発表してもらうことでリーダーとしての意識付けにもつながります。
「月初会の更新お願いします~」とSlackで投げると、「うわぁぁw」「もう1ヵ月か…!」という反応が来るのも恒例行事になりました。

※2017年6月~2018年8月は月初会にくっつけて定期的にKPTも行ってましたね。

———2020年8月1日追記ココカラ———
このタイミングからパンダ賞に加えて、月間MVP賞と半期MVP賞を入れました。
半期MVP賞は役員を入れた全員を対象に私が選びます。選ばれた人にはインセンティブとトロフィーを。
トロフィーは自己満なのかもれしないけど、形に残るので気に入ってます。(予算は5,000円ぐらいで実はお手頃です笑)

パンダ賞もそうですが、人を褒めて感謝して評価したいというのは私のこだわりかもしれないです。
会社の文化もそうでありたいし、そういう人に仲間になってもらいたい。
———追記ココマデ———

目標設定シート

かなり後半ではありますが、創業3年半で導入。
自走できるメンバーが多くて助かってはいたのですが、半期ごとの昇給やその人の評価を適切にしていくことを目的にスタート。これはまずPhase1だと思っていて、ゆくゆく人事制度や昇給制度をしっかりと整えていくうえで現メンバーにも「目標を立て、それを目指して仕事をする」ということを習慣化することを目的としています。

今使っているシートはこんな感じ。

職種によって使いにくいところもあるかもしれないけど、会社全体の目標を個人目標に落とし込みやすくなったし、メンバーとは半期ごとに成長イメージをすり合わせ、毎月のアクションプランを考え、その進捗を1on1でチェックしてます。

中段の“達成天気”はサイバーエージェント流ですが、達成度合いを☀/☁/☂で入力してもらってます。
視覚的に分かりやすいですし、定量目標が☀でも定性目標が☁とかだと何に困っているのか?と課題ヒアリングがしやすくなります。

あれ?意外とちゃんとやってた?笑

こう書くと少ないながらにちゃんとやってますかね。でも申し訳ないぐらい時間はほぼかかってません。事業に集中!

あと、制度ではないですが、メンバーの誕生日をお祝いする文化もありますね。みんなでプレゼントを考えるのも楽しいし、ホールケーキを5人とかで食べられるから大満足ですw

これは2019年の私の誕生日。リモートになったからこれも形を変えていかねばならなくなりそう…泣

急に10人を超えたので、少しずつバージョンアップしていく

この数ヶ月で生徒数が一気に増え、運営チーム&開発チームともにリモートで働くメンバーが増えました。

意識していたわけじゃないのに、ここ最近言語化することに少し時間を割いていたり(リモート勤務こうしますよ!、ベストパンダ賞はこうなります!とか)、メンバーの成長や働きやすさについて議論することが多くなってきました。

で、計算してみたら、これまでフルタイム5名+αだったのに、リモート含めて週2~3以上働くメンバーが一気に10人以上になってました。
「あぁ、だからか!」と腑に落ちた。

まだまだ事業に集中は変わらないですが、少しずつマネジメントにも意識を割いていこう。

こうなると、他のスタートアップがそれぞれのフェーズでどんなことやっているのかも気になるなぁ。
特に10人以上になってから何をやったのか、30人では、100人では…?

そして、私が次に10→30人の話をかけるのはいつかな。

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