【読書メモ】「100円のコーラを1000円で売る方法」
はじめに、私は理系でマーケティングはほぼ初めましてなので、詳しいことはわからないし、その辺りを理解した上で読んでほしい。
この本にはマーケティングのポイントが10個挙げられているのだが、このnoteでは私が気になった2つについて書こうと思う。
①物事の定義の仕方
この本で挙げられていた化粧品会社
A社:自社の事業を化粧品の販売と定義
B社:自社の事業をライフスタイルと自己表現、夢を売ることと定義
この2社を比べてみて、どちらが将来技術が進んで新しいものが生み出された際生き残れるだろうか?
答えはB社
化粧品を売ると定義しているA社は化粧品という製品の枠を越えられず、柔軟な策を練ることが出来ない。
一方、製品ではなくお客さんに何を与えるかと定義しているB社はもしかしたら化粧品ではなく、新しい形式で自社の事業を展開することができるかもしれない。
こうした会社・事業の定義やコンセプトの話はよく聞く。
例えばスタバ
スタバはコーヒーを売っているのではなく、
コーヒーやスタバの店の環境を通して、リラックスする体験・空間を提供している。
この定義により、よりよくするための会社の策は飲み物などの値下げではなく、wifi環境の改善やパソコンなどを使う人向けにコンセント付きの席の用意となる。
またアパレル業界では
洋服そのものを売っているのではなく、人々の自己表現の手段を売っている。
ここで、洋服の定義が
洋服=肌を隠すために着るもの、温度調整のもの
ではなく、
洋服=自己表現の手段
となっていることがわかる。もちろん前者の定義は前提としてはあるが。
この定義により、売り方についても単純な洋服の機能説明ではなく、それを着ることにより与える印象などを考慮した文句となる。
同じもの・1つのものであっても、定義の仕方や物事の捉え方によってこんなにも考えの幅が広がる。そして、この定義は時代が変わるにつれて少しずつ変わっていくのではないか。
自己表現の一種という意味では洋服も芸術かもしれない。
②お客さんの要望を全て入れている商品=お客さんのことを何も考えずに企画した商品!?
一見すると望みを叶えているんだし、お客さんも満足してくれるような気がしてしまう。
ただこれは本質をついていて、でもよく見落としがちだし合っているような気もしてしまう落とし穴みたいなもの。「木を見て森を見ず」
実際は満足してくれない。そのポイントとして2つ。
1つ目
顧客満足度=顧客が感じた価値ー事前期待値
価値を感じたとしても、要望に応えるだけでは期待値は越えられず結果満足度は0。
満足してもらうには期待のさらに上を狙う必要がある。
2つ目
その要望は今の商品に対してさらに合ったらいい・改善されたらいいというもの。本来の望みを鑑みず、ただただ付け加え改良するのでは不十分。
ここでの本の例えを用いると
(この本は会計システムを作って売る会社の話)
そもそも誰が・なんのために会計システムを用いているのか。
会計システムは必要なのか。→必要だという前提は正しい?
会計システムを用いることで解決したい課題は何なのか。
そういうふうに表面の問題ではなく、深い根本の・本質を探ってそれを解決する手段を探っていくのが本来の会社の役割。
***
この本はマーケティングの本としてポイントが書かれているが、
マーケティングに限らず日常で発生する問題の解決や人生の選択・意思決定の際にも同じことが言えるのではないかと思った。
このメモではマーケティングのポイントというより、考え方のポイントという感じでまとめている。(うまくまとめられた気がしないが)
いろんなものを吸収して何かに限定せず、柔軟に考えられるようになりたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?