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【授業紹介】「専門事例:地球市民と環境」多角的に環境問題を学べる

こんにちは、地球市民学科4年生の海老原です。
「専門事例:地球市民と環境」を紹介します。

2022年の前期に受けた授業です。
もともと地球温暖化や原子力発電の賛否など環境問題に興味があったことと、前年度(2021年)に鈴木直喜先生の「専門事例:地球市民と開発」を履修し、論文を書く力が鍛えられたのでぜひもう一度鈴木先生のもとで学びたいという思いから履修しました。

初めは、地球は誰のもの?という大きな話から始まり、世代を超えて平等に地球環境の資源を使っていかねばならないという考えを身につけました。
その後は地球温暖化海洋汚染原子力発電と各テーマを学んでいきました。

私が特に勉強になったのは原子力発電のテーマです。原子力発動については賛否両論があるテーマで、授業の中では賛成派と反対派の研究者の論文を読み漁りました。(毎週課題で200ページほどの論文を読むdutyがあるのです…)
いろんな意見を学んでいく中で、私の中で1つ、明らかにしたいことが生まれました。

それは、事故が実際に起こった福島原発第1号機の近くに住む人たちは原子力についてどう考えているのか、実際に負の遺産が残ると言われている原子力だが、ほんとにそうなのか、です。これらを自分の目で確かめたくなりました

最終授業で出した論文のテーマは、原子力を取り扱いました。第二次世界大戦で被爆した日本が、なぜ核を使ってエネルギーを作ろうとしたのか、導入経緯や関わった人々など日本と原子力の歴史を調査し、自分なりの原子力に対する意見を書きました

そして、授業が終了した後、授業を受けていた友達の有志で実際に福島県の浪江町にFW(フィールドワーク)へ行くことにしました。赴いた場所は多角的に原子力を学ぶため、東京電力が作っている施設や福島県が創立した施設、そして帰宅困難区域に指定されている牧場や民家で暮らす人々の元です。

FWで訪れた希望の牧場、被爆した牛は国からの殺処分命令が出たが、牛飼いは殺処分を拒否、今でも被爆牛が生きている

FWで衝撃を受けたことは、まだ放射線汚染土の袋が積み上げられており、帰宅困難区域に指定されている地域は2011年から時が進んでおらず、自動販売機も廃れ、お店の中は荒れており、埃だらけになっていることでした。

帰宅困難地域にて―屋根の瓦や家も直されず、震災当時のまま―

震災当時、原発爆発事故当時から人の手が入らず、時が進んでいない街を見て、これが負の遺産か、と納得しました。また、興味深かったことは、被害を受けた人たちによっても意見が異なることです。爆発事故があったけど原子力は使い方を間違えなければ安全だ、と主張する人もいれば、原発は反対だ、絶対に稼働してはならない!と主張する人がいたからです。これは事故後の国や東京電力からの補償によっても左右されているのかなと考察しながら学びました。実際に赴いたことで、机上で学んでいたことがよりリアルになり、新しいことを発見することもできました

浪江町にある請戸小学校訪問時撮影
津波で破壊された校舎

復興していると言われる被災地。未だに人が戻ってこられない浪江町の復興とはなんだろうかと深く考えさせられるFWでした。原子力発電は議論で避けられるテーマでもあると思いますが、ぜひみなさんにも一度考え、調べて自分の意見を持っていただきたいです。

多角的に環境問題を学びたい方はぜひ履修してみてください!大変ですが力がつきます
(地球市民学科 4年 海老原里美)