「おじさんは寂しい生き物なんです」教授の言葉から、父との関係性を考えた。
今まさに目の前に、お父さんがいる。台所とひと続きの居間で、こちらに背を向けてパソコンを眺めている。
…
うちは3姉妹。
お母さんと3姉妹は結託して、お父さんはひとりの孤戦場。
3人娘は母親に対するお父さんの扱いや、家事をしない、じゃま、うるさい、見栄っ張り、、などと好きなことを言う。同性で一番に手をかけてくれた母親のことは、どうしたって味方したくなってしまう。
昨日の夜。
日課のランニングを母、長女、私の3人でしている時。
祖母の死に際して泊まりにきていた親戚の話になり、文句や悪口に花が咲いた。父方の親族なので、必然的にお父さんに対する不満もたくさん飛び出す。
21時近く。田舎の夜の闇は濃い。
往復5〜6kmのコースを終え、もうそろそろ家に到着するという時、お母さんが
それを聞いて、なんだか可哀想に思えてきた。
・家に娘2人がいる平日のお父さんの居場所。煙たがられるお父さん。邪険にされるお父さん。
・送り迎えをしてくれたお父さん。3人娘全員の部活や塾の送り迎えに加えて、この間も私のクリニックやサポートセンターへの送り迎えもしてくれたお父さん。
・さてこれから休もうという中でも、頼んだら車を出してくれるお父さん。私よりも私のことを心配してくれるお父さん(時にうざいけど)。
・出された食べ物を、明らかに娘たちの方が優先されていても、文句を言わずに食べるお父さん。(文句を言ったら娘たちの総攻撃にあう)
・私の心と生活を心配して、昔の自分みたいな苦労をさせたくないと、たびたびお金の心配をしてくれるお父さん。いざという時に助けてくれたお父さん。
・何度もぶつかったり、私がいやがっても、何とか話し合って私のために解決策を考えようとしたり、あれだけ話したがり屋でも私の意見を聞きながら話そうとしてくれるお父さん。
ああ、私がお父さんの立場だったらつらいだろうな。毎日、自分の居場所がないように感じるだろうな。
私は自分の繊細さで、必要以上に人の感覚も傷ついているように見えてしまうこともあるけれど、自分と同じ眼鏡でお父さんの状況をみたらと思うと、とても胸が痛くなった。
大学時代、好んでよく授業を受けていたイケおじの教授が言っていた。
いい授業を受けたと思う。
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