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スパダリ=安室透?世界一わかりやすい(?)1分で腐女子用語を解説!

年々生まれ増幅し続けている腐女子用語。

商業BLポータルサイト「ちるちる」は、BLの魅力を伝えることがお仕事。

そんな仕事柄、BLにほとんど触れたことのない方々へ、人気なポイントを説明する機会も少なくありません。

そう、例えばこちらの記事も・・・
(アプリマーケティング研究所さんにご取材いただきました!)

このような機械で、BL用語を一般男性や女性に説明する時、表現に困ること1億回……。

「言いたいことを、BLの魅力を伝えられているのだろうか…」と、毎回頭を抱えます。

そんな時、一般・腐女子お互いのイメージの一致のために、あえて一般のキャラクターに例えてご説明するとスムーズに意思疎通ができます。

現在、BL業界はジャンルとしてメジャーになれるかどうかの過渡期。

今回は、BLの魅力を非BL読者の方々へ布教する時に活用できる、商業BL作品のキャラクターの属性を解説!そして、イメージを非BL作品のキャラクターに例えてみます。


そもそもBLでよく言う「属性」って?

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登場キャラクター(主にメインカップル)の性格や、作品内に登場する趣向の特徴をまとめて"属性"と呼びます。

BL読者にとって、属性は購買を左右する非常に大切なポイント。

商業BL読者は、基本的に自分が好むキャラクターや設定を好んで選びます。キャラクター属性を見れば、ある程度ストーリーも好みの展開か予想できます。好きな作品を好きに読み、満たされるのです。

そのため「このBL作品を買うか」の評価基準はイラストの好み以外に、属性が購入の背中を押すキーポイントとなるのです。また、どうしても受け付けない属性や設定を「地雷」と呼び、読むのを避ける文化もあります。

余談ですが、"作家買い"と呼ばれる特定の作家の作品を積極的に買うなど、選書の幅は狭く深くなる傾向があります。

このように腐女子にとって属性は大事な要素ですが、不文律で曖昧なイメージのもと成り立っています

そのため、BLファンではない人に「この属性はどういう意味?」と聞かれると、イメージの擦り合わせが難しいことも。そこで、改めて「これは一般的な作品に当てはめると、こういうイメージかな?」という例えも添えて、用語を解説してみました!

※ご注意


・例として一般作キャラを出していますが、BL視点でみているというわけではなく、あくまで非BL読者とのイメージ擦り合わせ目的です。
・男性のnote読者にとってもイメージが掴みやすいように、可能な限り女性キャラクターも混ぜております。
・イメージの擦り合わせにおいてBL読者へのヒアリングを行っていますが、あくまでも目安です。定義、文章化されていない概念のため、一人一人微妙にイメージは異なっているはず。「自分はこういうイメージ」という語彙意見は、ぜひこちらの記事をシェア+イメージを呟いていただけるとありがたいです。

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【入門者向け!BLの「属性」用語を解説!】

男前(内面属性)

竹を割ったような性格のキャラクターをさす。まっすぐで誠実、即断即決で「付いていきたい…」と思わせる性格。作品によっては「スパダリ」と近しいこともあるが、スパダリはそつなくこなす技量面が軸となるが、男前は技量があるとは限らない。いわゆる「江戸っ子」のような、態度や言葉遣いで男前さを表現されることも。

一般のキャラクターで近い例
ランサー(FGO)
煉獄杏寿郎(鬼滅の刃)
宇随天元(鬼滅の刃)

オヤジ(外見属性)

30代~50代程度の、しゃがれた年季の入った男性像をさす。大人の余裕、人生経験から過去に辛い経験を語るような背中、包容力…等が魅力。「オヤジ系の受け攻めが好き」、と一言に言っても好みの幅や年齢ゾーンは人によって異なり、解釈が幅広い。オヤジ受け・オヤジ攻めともに、相手の年齢は若く、年齢差カップリングになることが多い。

一般のキャラクターで近い例
鏑木・T・虎徹(TIGER&BUNNY)

俺様(内面属性)

一言でいうと「ジャイアン」である。相手の都合や気持ちなどを顧みず、決断していく王様タイプの性格を俺様という。BL作品では、貴族や社会的にカースト上位に生まれたキャラクターに搭載されやすい。行き過ぎたマイペースなキャラクターも、俺様に分類されることもある。平成初期から俺様は攻めが多数派だったが、近年は俺様受け作品も増えている。「俺様な性格であるのに心身ともに受け(攻めへ縋る一面等)になってしまう」というギャップが人気の理由。

一般のキャラクターで近い例
ギルガメッシュ(FGO)
ジャイアン(ドラえもん)

寡黙(内面属性)

作品内において、口数の少ないキャラクター。「クール」とはニュアンスが多少異なり、表情は優しかったりすることも。少なくとも表面上は口数が少なく、「実は心の中では饒舌」「緊張して寡黙に」「寡黙キャラを演じいている」等の設定が負荷されることもある。

一般のキャラクターで近い例
富岡義勇(鬼滅の刃)

クーデレ(内面属性)

「通常はクールだけど、たまにデレる」、といった内面を略しクーデレと呼ぶ。似た属性としてツンデレもあるが、異なる属性である。ツンは態度の悪さが際立つが、クールは無口さや表情等リアクションが少ない。デレる対象は、特定の人物の前、特定のレベルまで仲良くなった時、等の条件がつけられる。

一般のキャラクターで近い例
不死川実弥(鬼滅の刃)
リヴァイ(進撃の巨人)

健気(設定属性)

相手(多くはカップリングの相手)のことが第一至上主義な性格設定をさす。片思い歴が長い、自分を捨ててでも相手に尽くす、等の性格をもつ。攻め受け、どちらも設定されやすい属性である。思いが叶っていないことが必要条件の属性なため、切ないストーリーの割合が高い。


一般のキャラクターで近い例
真島 太一(ちはやふる)

誘い・襲い◯(内面属性)

基本的に受けに設定される属性で、行為に積極的な意欲をもつ受けをさす。ただ単に行動が積極的な訳ではなく、攻めへの愛情表現や行動が積極的であることが求められる。「誘う」とは、基本的にベッドへのことである。

一般のキャラクターで近い例
食虫植物
肉食女子

執着(内面属性)

思いを寄せるキャラクターへ、異常なほどの執着を見せるのが執着攻め。執着心からの独占欲、嫉妬展開がセットになっていることが多い。発展すると、監禁設定、ストーカー設定等、ちょっと危ない設定が飛び出てくることも。基本的に攻めに設定される性格で、執着受けは稀。しかし、過度な健気さ等、執着に結びつきやすい要素もあり、健気受けが執着受けに化ける等もある。

一般のキャラクターで近い例
ガストン(美女と野獣)
ルルーシュ(コードギアス)
白井黒子(とある科学の超電磁砲)

地味(外見・内面属性)

作品内において、多くの第三者から外見が良くも悪くもなく、特筆する点がないキャラクターを呼ぶ。また、内面もさすことがある。稀に外見は普通だが内面は何か持ってる、という設定もある。

一般のキャラクターで近い例
志村新八(銀魂)
牧野 つくし(花より男子)
ソフィー(ハウルの動く城)

スパダリ(内面属性)

スーパーダーリンの略で、理想的なダーリン(夫)像をさす。例えば、仕事ができる、年収が高い、家事料理できる、家族思い、優しい言葉をくれる、人徳もあり周囲からの信奉もあつい…等で、ハイスペックが必須条件。従来スパダリ攻めが多数派だったが、近年はスパダリ受け等ギャップがトレンドだ。

一般のキャラクターで近い例
安室 透(名探偵コナン)
赤井秀一(名探偵コナン)
衛宮士郎(FGO別ルートだとやばい)

美人(外見属性)

作品内において、顔の造形が女性よりの男性をさす。女性らしさは、作家のタッチによって変わる。古より、受け(ネコ)タイプに多く"美人受け"と呼ばれていたが、近年は"美人攻め"というギャップを楽しむ読者も作品も増えている。

一般のキャラクターで近い例
リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン(宝石商リチャードの謎鑑定)
月(CCさくら)

不憫(設定属性)

可哀想な生まれや、家庭環境で育ったキャラクターの属性。その他、子どもの頃だけでなく、仕事環境、DV傾向のある恋人との関係など、大人になってからの設定も含まれる。こういった不憫な過去から、脱却していくストーリーも多い。さらに、既述のようなハードな体験以外にも、「不幸体質」「運がない」「トラブルに巻き込まれがち」のような、ライトな設定の作品も。後者は不憫設定ではあるが、ギャグ要素も追加され、軽い読み心地の作品になる傾向がある。

一般のキャラクターで近い例
ロビン(ワンピース)
上条 当麻(とあるシリーズ)

ほだされ(展開属性)

作品スタート当初は相手に対して無関心、抵抗などがあったキャラが物語が展開していくごとに好意を受け入れていく…といった展開属性。ツンデレやクーデレとセットになることも。近年増えてきた属性で、二人の関係性の進展や展開をある程度予想できる設定である。

一般のキャラクターで近い例
嘴平伊之助(鬼滅の刃)
暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ)

ワンコ(内面属性)

飼い主に従順な犬のような性格の攻め・受けをさす(わんこ攻め・わんこ受け)。他に「受けにしか懐かない攻め」、「受けに対して忠犬のように付き従う攻め」なども「わんこ攻め」に含む場合がある。ワンコ・わんこどちらでも表記可。

一般のキャラクターで近い例
アルフォンス・エルリック(鋼の錬金術師)
橘真琴(Free!)
月野うさぎ(セーラームーン)

やんちゃ(内面属性)

いつも元気で笑顔。どこか子供っぽく、ちょっとおバカなキャラクターをさす。基本的に受けに使われる表現。無垢で純粋なキャラクターであることが多い。一方、無垢ゆえの残酷性や、クレバーな一面もある等ダウナーな二面性をもつ設定があることも。作中のメインがやんちゃな側面であれば、やんちゃ受けとカテゴライズされる。

一般のキャラクターで近い例
孫悟空(最遊記)
ルフィ(ワンピース)


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なんとなく腐女子や腐男子の語る「属性」のイメージを掴んでいただけたでしょうか。

今回はあえて一般作品のキャラクター名をだしましたが、イメージや魅力を1mmでも感じていただけたら幸いです!


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