平野裕二

子どもの権利や人権に関する国際的な動向についての情報を主に発信しています。自営業(翻訳…

平野裕二

子どもの権利や人権に関する国際的な動向についての情報を主に発信しています。自営業(翻訳)。 https://w.atwiki.jp/childrights/

マガジン

  • 子どもに対する暴力

  • ヨーロッパにおける子どもの権利関連の動向

  • 子どもの権利をめぐる国際動向

    子どもの人権連『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』の連載をもとに、子どもの権利に関わる主な国際動向をほぼ時系列でまとめています。マガジン1本はだいたい2万字(400字詰原稿用紙50枚)前後です。

  • デジタル環境と子どもの権利

  • 国内人権機関/オンブズパーソン等

    子どもオンブズパーソン/コミッショナーを含む国内人権機関(NHRI)関連の記事のまとめです。

記事一覧

欧州評議会・ランサローテ委員会、子どもに対する性犯罪についての公訴時効に関する「見解」を採択

、欧州評議会・ランサローテ条約(性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する条約、2007年)の履行状況を監督するために設けられているランサローテ委員会が5月末…

平野裕二
2日前
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子どもの権利をめぐる国際動向(2023年10月~12月)

 この投稿は、私も代表委員のひとりである子どもの人権連の機関誌『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』177号(2024年2月)に掲載された原稿です。関係者の了解を得て、…

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平野裕二
3日前
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ニュージーランドのプライバシーコミッショナー事務所、子ども・若者のプライバシーに関する報告書を発表

 ニュージーランドのプライバシーコミッショナー事務所が、4月17日、「ニュージーランドの子ども・若者のプライバシーを守る」(Safeguarding children and youngpeople's…

平野裕二
7日前
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イングランド子どもコミッショナーが発表した、デジタルゲームに関する子どもたちの声

 先日の投稿でユニセフ・イノチェンティ研究所が発表した「デジタルテクノロジーと遊びと子どものウェルビーイング」に関する報告書について取り上げましたが、イングラン…

平野裕二
2週間前
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国連事務総長、武力紛争における子どもの人権侵害当事者リストにイスラエル軍とパレスチナ武装勢力を追加

 国連は、6月13日、事務総長が総会と安全保障理事会(安保理)に毎年提出している「子どもと武力紛争」についての報告書(A/78/842-S/2024/384)を公表しました。子どもと…

平野裕二
2週間前
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ユニセフ、デジタルゲームと子どものウェルビーイングに関する報告書を発表

 ユニセフ(国連児童基金)・イノチェンティ研究所は、4月30日、「子どものためのテクノロジーにおける責任あるイノベーション:デジタルテクノロジーと遊びと子どものウ…

平野裕二
3週間前
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EU、女性に対する暴力およびドメスティックバイオレンスとの闘いに関する指令を採択――サイバーハラスメント等の犯罪化を要求

 新サイバー犯罪条約に関する前回の投稿の末尾で取り上げたように、EU(欧州連合)理事会は、5月7日、「女性に対する暴力およびドメスティックバイオレンスとの闘い」(co…

平野裕二
3週間前
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OHCHR、子どもの権利を含む人権の視点から新サイバー犯罪条約草案の修正を提言

 国連では現在、UNODC(国連薬物犯罪事務所)が事務局となって、「犯罪目的での情報通信技術の利用への対処に関する包括的国際条約」(Comprehensive International Conve…

平野裕二
3週間前
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EU、人身取引への対応に関する改訂指令を採択

 EU(欧州連合)の欧州議会は、4月23日、「人身取引の防止およびこれとの闘いならびに人身取引被害者の保護」に関する改訂指令を採択しました。2011年の指令を改訂し、適…

平野裕二
4週間前

スコットランド(英国)の公共サービスオンブズマン、子どもからの苦情申立てに対応する際の原則と指針を発表

 1月に投稿した〈スコットランド(英国)政府、「子どもの人権アプローチ」に関するガイダンスを発表〉の末尾で、スコットランド公共サービスオンブズマン(SPSO)による…

平野裕二
4週間前
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韓国の子どもたちが望む政策の第1位は遊び・余暇時間の拡大:民間団体調査

 イングランド(英国)の子どもコミッショナーが実施した大規模アンケート「ザ・ビッグ・アンビション」は、遅くとも今年12月~来年1月までに行なわれる予定だった英国の…

平野裕二
1か月前
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イングランド子どもコミッショナーによる大規模アンケート「ザ・ビッグ・アンビション」:100万人の子どもたちの声

 昨年(2023年)11月の投稿で紹介したように、イングランド(英国)の子どもコミッショナーを務めるレイチェル・デ・スーザ(Dame Rachel de Souza)さんは、昨年9月から…

平野裕二
1か月前
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国内人権機関が設けられていないことは「日本の国際的イメージにも悪影響を及ぼす」――国連・ビジネスと人権に関する作業部会が…

 国連・ビジネスと人権作業部会(人権と多国籍企業その他の企業に関する作業部会)が実施した訪日調査(2023年7月24日~8月4日)の最終報告書(A/HRC/56/55/Add.1)が、5…

平野裕二
1か月前
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英国の独立教育監査機関 Ofsted が活動のあり方に関する意見募集「ビッグ・リスン」を実施中

 英国の独立機関であるOfsted(オフステッド:教育・子どもサービス・技能水準監査院)は、あらゆる年齢層の学習者を対象とする教育・技能訓練機関や子ども・若者をケアす…

平野裕二
1か月前

欧州評議会議員会議、「オンラインの暴力からの子どもの保護」に関する決議を採択

 欧州評議会の諮問・監督機関である議員会議(Parliamentary Assembly)が、4月19日、「オンラインの暴力からの子どもの保護」に関する決議 2547 (2024) を採択しました。…

平野裕二
1か月前
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国連・子どもの権利委員会の第96会期が終了/委員会の新たなメンバー(2025年3月~)も決定

 ジュネーブ(スイス)で5月6日から開催されていた国連・子どもの権利委員会の第96会期が、24日に終了しました。 - Committee on the Rights of the Child Closes Ninet…

平野裕二
1か月前
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欧州評議会・ランサローテ委員会、子どもに対する性犯罪についての公訴時効に関する「見解」を採択

、欧州評議会・ランサローテ条約(性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する条約、2007年)の履行状況を監督するために設けられているランサローテ委員会が5月末に開催したセミナーについての投稿で、 「子どもに対する性犯罪については公訴時効を(全面的にまたは重大な犯罪に限って)撤廃した国が多いようですが、依然として公訴時効を維持している国もあります(ただし、全体的としては公訴時効を延長する傾向が観察できるようです)」  と書きました。  ランサローテ条約33条では、このよ

子どもの権利をめぐる国際動向(2023年10月~12月)

 この投稿は、私も代表委員のひとりである子どもの人権連の機関誌『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』177号(2024年2月)に掲載された原稿です。関係者の了解を得て、有料記事としてアップします。私が Facebook および note で行なっている投稿のなかから、子どもの権利をめぐる国際的動向に関する主なニュースをピックアップして要約したものです(一部、日本国内の動きを取り上げることもあります)。該当する投稿にリンクしていますので(投稿日の「1月」「2月」は2024年の1

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ニュージーランドのプライバシーコミッショナー事務所、子ども・若者のプライバシーに関する報告書を発表

 ニュージーランドのプライバシーコミッショナー事務所が、4月17日、「ニュージーランドの子ども・若者のプライバシーを守る」(Safeguarding children and youngpeople's privacy in New Zealand)と題する報告書を発表しました。 ★ New survey shows we all need to sharpen up about privacy risks for kids https://www.privacy.org.

イングランド子どもコミッショナーが発表した、デジタルゲームに関する子どもたちの声

 先日の投稿でユニセフ・イノチェンティ研究所が発表した「デジタルテクノロジーと遊びと子どものウェルビーイング」に関する報告書について取り上げましたが、イングランド(英国)の子どもコミッショナーも1月8日にビデオゲームに関する報告書を発表していたので、あわせて紹介しておきます。 ★ Digital playgrounds - Children's views on gaming https://www.childrenscommissioner.gov.uk/resource

国連事務総長、武力紛争における子どもの人権侵害当事者リストにイスラエル軍とパレスチナ武装勢力を追加

 国連は、6月13日、事務総長が総会と安全保障理事会(安保理)に毎年提出している「子どもと武力紛争」についての報告書(A/78/842-S/2024/384)を公表しました。子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表事務所がリリースを出しています(リリース本文の冒頭には "New York, 11 June 2024 " とありますが、リリースの掲載日は13日です)。 ★ 2023: Alarming levels of violence inflicted on chi

ユニセフ、デジタルゲームと子どものウェルビーイングに関する報告書を発表

 ユニセフ(国連児童基金)・イノチェンティ研究所は、4月30日、「子どものためのテクノロジーにおける責任あるイノベーション:デジタルテクノロジーと遊びと子どものウェルビーイング」(Responsible Innovation in Technology for Children: Digital technology, play and child well-being)と題する報告書を発表しました。  Child in the City のサイトに掲載された記事のタイトル

EU、女性に対する暴力およびドメスティックバイオレンスとの闘いに関する指令を採択――サイバーハラスメント等の犯罪化を要求

 新サイバー犯罪条約に関する前回の投稿の末尾で取り上げたように、EU(欧州連合)理事会は、5月7日、「女性に対する暴力およびドメスティックバイオレンスとの闘い」(combating violence against women and domestic violence)に関する欧州議会・理事会指令(Directive (EU) 2024/1385 of the European Parliament and of the Council of 14 May 2024 on

OHCHR、子どもの権利を含む人権の視点から新サイバー犯罪条約草案の修正を提言

 国連では現在、UNODC(国連薬物犯罪事務所)が事務局となって、「犯罪目的での情報通信技術の利用への対処に関する包括的国際条約」(Comprehensive International Convention on Countering the Use of Information and Communication Technologies for Criminal Purposes)の起草作業が進められています。同様の目的を有する地域条約として、欧州評議会が2001年に採

EU、人身取引への対応に関する改訂指令を採択

 EU(欧州連合)の欧州議会は、4月23日、「人身取引の防止およびこれとの闘いならびに人身取引被害者の保護」に関する改訂指令を採択しました。2011年の指令を改訂し、適用対象を拡大するとともに、子どもを含む被害者の保護をさらに強化したものです。 ★ European Parliament: Trafficking in human beings: MEPs adopt more extensive law to protect victims https://www.eur

スコットランド(英国)の公共サービスオンブズマン、子どもからの苦情申立てに対応する際の原則と指針を発表

 1月に投稿した〈スコットランド(英国)政府、「子どもの人権アプローチ」に関するガイダンスを発表〉の末尾で、スコットランド公共サービスオンブズマン(SPSO)による子どもにやさしい苦情申立て手続モデルが4月に発表されるらしいと書きましたが、やや遅れて5月30日に発表されました。こちらのページにこれまでの経緯がまとめられており、関連資料もダウンロードできます。  今回発表されたのは、「子どもにやさしい苦情の取扱いの原則」(Child Friendly Complaints H

韓国の子どもたちが望む政策の第1位は遊び・余暇時間の拡大:民間団体調査

 イングランド(英国)の子どもコミッショナーが実施した大規模アンケート「ザ・ビッグ・アンビション」は、遅くとも今年12月~来年1月までに行なわれる予定だった英国の総選挙を念頭に置いたものでした(時期が早まり、7月4日に実施されることになりました)。  韓国では4月10日に総選挙が実施されましたが、それに先立ち、韓国のNGO「グッドネイバーズ」が子どもアンケートを実施してその結果を2月27日に発表していますので、紹介しておきます。 ★ 아동이 바라는 공약 1위, 놀이와

イングランド子どもコミッショナーによる大規模アンケート「ザ・ビッグ・アンビション」:100万人の子どもたちの声

 昨年(2023年)11月の投稿で紹介したように、イングランド(英国)の子どもコミッショナーを務めるレイチェル・デ・スーザ(Dame Rachel de Souza)さんは、昨年9月から今年1月にかけて、大規模な子どもアンケート「ザ・ビッグ・アンビション」(大きな野心)を実施しました(当初は12月15日までの予定でしたが、1月まで延長されたものです)。  その結果をまとめた報告書が3月25日に発表されているので、遅ればせながらお知らせします。 - One million

国内人権機関が設けられていないことは「日本の国際的イメージにも悪影響を及ぼす」――国連・ビジネスと人権に関する作業部会が速やかな設置を勧告

 国連・ビジネスと人権作業部会(人権と多国籍企業その他の企業に関する作業部会)が実施した訪日調査(2023年7月24日~8月4日)の最終報告書(A/HRC/56/55/Add.1)が、5月28日に公表されました(報告書草案に対する日本政府のコメントも掲載されています)。6月18日~7月12日にジュネーブで開催される国連人権理事会第56会期で報告が行なわれます(同作業部会との「相互対話」はいまのところ6月25日・26日に予定されているようです)。  基本的な視点や論点は訪日調

英国の独立教育監査機関 Ofsted が活動のあり方に関する意見募集「ビッグ・リスン」を実施中

 英国の独立機関であるOfsted(オフステッド:教育・子どもサービス・技能水準監査院)は、あらゆる年齢層の学習者を対象とする教育・技能訓練機関や子ども・若者をケアするサービス機関の監査を実施し、その結果の公表などを通じてこれらのサービスの質の向上を追求する機関です。〈英国の学校評価機関、学校における性暴力についての報告書を発表し、さらなる対策を勧告〉(2021年6月12日)で紹介したように、特定の問題に関する調査を実施することもあります。  そのOfstedが、自らの活動

欧州評議会議員会議、「オンラインの暴力からの子どもの保護」に関する決議を採択

 欧州評議会の諮問・監督機関である議員会議(Parliamentary Assembly)が、4月19日、「オンラインの暴力からの子どもの保護」に関する決議 2547 (2024) を採択しました。 - Parliamentary Assembly of the Council of Europe: PACE urges new laws to protect children online https://pace.coe.int/en/news/9442/pace-ur

国連・子どもの権利委員会の第96会期が終了/委員会の新たなメンバー(2025年3月~)も決定

 ジュネーブ(スイス)で5月6日から開催されていた国連・子どもの権利委員会の第96会期が、24日に終了しました。 - Committee on the Rights of the Child Closes Ninety-Sixth Session after Adopting Concluding Observations on Reports of Bhutan, Egypt, Estonia, Georgia, Guatemala, Mali, Namibia and