季節の便りと心の頼り。

用事を済ませた帰り道にまた寄り道して、カフェに入店した。

ハロウィン色に染まったチェーン店。期間限定のかぼちゃを使ったラテを注文する。

ハロウィンにうまく乗っかれない自分も、この一杯で10月のノルマをクリアしたような気がしている。季節感に疎くても、味覚の変化ぐらいは楽しみたい。食欲の秋だし。

半分まで読み進めた文庫本と雑記ノートと筆記具を鞄から机に取り出す。そういうつもりで寄り道しにきたのだから。

と、とりあえずスマホ一旦触らせて。

え?鬼滅の刃があのパズドラとコラボスタート?
とりあえずガチャ引いて、、、

お!竈門炭治郎出た!ちょっとこれ使ってゲーム進めたいな、、、

なるほどね、攻略サイトをみると、この組み合わせが強いんだね、試してみてっと。

机には意識高そうな道具を放置して、目の前の電子板に釘付けになっている。

ここに来た理由を思い出せ!もうゲームをするのはやめるんだ!

そんな声が聴こえてくる。スマホを何度も置いた。本を一瞬開いて数ページ読んだところでSNSの戸をノックする。そのままの流れでゲームに戻る。

もう良いよ。今日はゲームやりなよ。コラボ開始の初日だから良いよ。やりたいだけやりなよ。

ため息と諦念が含まれた冷たい声が聴こえた。

楽しいからまあ良いかと童心に帰ったかのようにゲームをする。カフェにまでやってきて何をしたんだ。と後悔したのはカフェを出てからだった。

熱がこもっていたのか、それとも早くその電子機器から離れろという宣告なのか、ひどい頭痛に苛まれる。少し吐き気すらある。

このご時世で発熱はシビアな問題で、周囲に迷惑をかけるのは想像に難くない。

しんど。フラフラするわ。帰ろう。

頭の揺れなのか電車の揺れなのか判断するのも困難になりつつ、つり革を支えに揺れを抑える。近場への外出で助かった。

帰って食事をササっと済ませて、横になる。しっかりと1時間は記憶がない。夢を見る余裕もない。

目を覚ましても頭は痛い。和らいだ心地もしない。仕方なく頭痛薬を服用して、安静にしていた。(ここで本当は眠れば良いのにね。)

30分もしたら、驚くほど痛みが引いていった。わかりやすくつらさが消えていった。

根性論もとりあえず眠るという愚直な行為も考え直して、自分に合った薬を服用した方が身のためだわ。よくわからされた。痛いほどわかった。

ゲームのやりすぎに気をつけて、自制心を強く持ち、電子機器を断絶する勇気を持ちましょう。

心の声に背くと悉く良いことがないです。最近そう思わされる場面が多いので、気をつけます。

本屋に立ち寄ったら、一年前に取得した資格の一個上の級のテキストを発見して、これも取得したいなと急に思いついてテキストを買ってしまいました。

心の声に素直に従うとお金がなくなりがちなので、確実に支払った金額を無駄にしないようにしないと。今日のカフェは無かったことにして。

このテキストを無駄にしないように勉強を始めてみます。

カフェに行くのも程々にして、家での過ごし方を見直せって話です。

では。

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。