自己選択する力

自己選択する力 1

自己選択とは、「〇〇する。」「〇〇しよう。」は自分自身で決断して選択する、選択的思考のことです。
「〇〇しなければいけない。」「〇〇するべきだ。」という考え方は義務的思考になり、同じことをやって上手くいかなかったとき、義務的思考で行動していた場合は選択的思考で行動していた時の5倍のストレスに繋がるため、義務的思考を減らし選択的思考を増やせるようにしていきます。
また、この義務的思考の行動は「我慢の器」の“我慢の水”を消費するため、できる限り避けたいものです。

子育てにおいて、知らず知らずのうちに義務的思考を植え付ける関りをしてしまっていることも多くあり、それは、メンタルのバランスを崩す原因になっています。
特に「敏感な感性を持つ子」は、基本的に園や学校という多くの刺激を受ける場所は苦手です。そんな子供は常に“我慢の水”を消費しながら学校生活を送っていますし、園や学校が居場所になれないことも少なくありません。
学校で友達と喧嘩したり、からかわれたり、失敗して恥ずかしい思いをしたり、テストでいい点を取れなかったりと、いろんなネガティブな事態が起きて“学校に行きたくないなぁ…”と思うときは少なくないでしょう。
そんな時、『学校は義務教育だから、絶対に行かなければいけない。』『みんな学校に行っているから行かなければいけない。』そんな義務的思考だけで、学校へ行き続けているととても危険です。
そんな状態でネガティブな事態が重なり続けると、心が悲鳴をあげて“頭痛”や“腹痛”、“起きられない”、“気持ちが悪い”そんな症状が起き始め、行けないことが更にストレスになって悪循環を起こします。
そうならないためにも、小学校や中学校は義務教育だけど…高校は殆どの人が卒業するところだけど…、大学は就職のために卒業しとおかないと…。そんな義務的思考な理由だけで続けるのではなく、日々の小さな楽しみや目標を置いて、それを理由に「〇〇したいから学校へ行く。」という選択的思考でもって行動していけば、学校に行くことは義務ではなくなり、ネガティブな事態が起きても心のバランスを崩しにくくなります。

義務的状況において、いかに選択的思考を作り出せるかは、主たる養育者の子供との関わり方が重要になってきます。
子育ての中で「〇〇しなさい。」「〇〇するのが当たり前なの。」と言うような義務的誘導を使いすぎていると、義務的思考を作り出してしまいますし、もし子供がメンタルのバランスを崩さなかったとしても、対人コミュニケーションが命令調や義務調になり、人間関係の構築に不具合を生じさせてしまいます。
そんな将来にリスクを負うのではなく選択的思考を育てるためには、子供のネガティブな感情への気付きと、ネガティブな感情をポジティブな感情でもって勇気づける誘導が必要になります。
子供が「学校に行きたくない…。」と言ったとき、後題で書く「自己感情認識」にある感情のコントロール①②③を応用します。
原因が何か分かっていれば、子供に起きている感情を同調します。もし、原因が分からなければまず、原因探しをしてから感情の同調をしていきます。この学校に行きたくない状況を変えるためには、原因や感情にもよりますがネガティブな感情だけを消そうとするのではなく、ポジティブな感情になれる材料を見つけ、“ポジティブな感情>ネガティブな感情”にすることで、学校に行くための意味付けをしてあげて、選択的思考へと誘導して勇気づけていきます。
もちろん、行きたくない原因が重大なもので、いじめ等の早急に解決が必要な時はその手立てを講じることは必要ですが、それと同時に前向きな自己選択ができるようになるための話題も忘れないようにしましょう。
例えば、学校に行きたくないと言った子供に対して、どんなポジティブな感情の意味付けがあるでしょうか。
・好きな献立の給食がある
・得意や好きな教科の授業がある
・好きなクラブ活動や部活がある
・授業数が少なくて早く帰れる
・仲の良い友達とどんな話や遊びをしようか
・休み時間に何をしようか
・天気が良いから外遊びはなにしようか

不確定要素の高いものは、あまり効果がありませんので、子供が実践できる可能性の高いポジティブな感情の意味付けが良いです。
このように、子供との会話で選択的思考へと誘導するには、普段から子供の様子や子供の周囲の情報をしっかり把握していないと出来ませんので、普段からのコミュニケーションを通じての情報集めはしておきましょう。

つづく

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