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アイドルの現場に入る資格

■ Watching:関ジャニ∞「KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT」

まさか好きになるとは想像もしていなかったジャニーズに私を引き込んだのは、関ジャニ∞だった。それから聞く音楽のジャンルが広がり、ダンスを見る楽しさを知り、プライベートのことも話せる友人たちに出会った。今の私の生活の半分は、関ジャニ∞を好きになってから形作られたものだ。

いわゆる"男性アイドルオタク"の世界に足を踏み入れて5年が経ち、私の興味の幅も大きく広がった。関ジャニ∞以外のグループも好きになったし、今やジャニーズ以外にも関心が向いている。正直なところ、関ジャニ∞からは少し心が離れてしまっていた。それは勿論彼らが悪いわけではなくて、たぶん私が悪いわけでもない。私の中での様々な兼ね合いの結果としてそうなってしまったというものだった。


8BEATの幕張公演の同行者を探しているという友人のツイートを見たとき、しばらく逡巡した。行ってみたい気がしたけれど、はたして私にはその資格があるのだろうか?と思ったから。でも今見ないともう機会はないかも、とも思った。ありがたいことにご縁をいただき、GR8ESTぶりに生の関ジャニ∞を見ることが決まった。

実は新しいアルバムの曲は知らなかった。ツアーグッズも持っていなかった。現場に入る資格ないよなあとか、今日が私にとって最後の関ジャニ∞の現場だろうかとか。当日ホテルの部屋で髪の毛を巻きながら考えていた。


まず安田くんの言う「エイター」を自分への呼びかけだと認識したところからコンサートは始まった。そこからまさに心はローリングコースターで。心底楽しかった。何度も泣いた(うち2回はトロッコに乗って移動する安田くんがかっこよくて泣いた)(かっこよくて泣くって現実であるんだ)。何よりも、5人のことが大好きだった。

コンサートに行っちゃダメな人間なんていなくない?って自分以外のことだったら思うのに、変なところで自分に呪いをかけてしまっていた。でも関ジャニ∞がそれを解いてくれた。せっせとこしらえてた御託を3時間1本でぜ~んぶ壊されてしまった。なんなんだろう生の関ジャニ∞のあの説得力は。

横山くんの言う「もっとかっこよくなる」関ジャニ∞のこと、見逃せるわけないじゃん。いらんことばっかり考えて馬鹿みたいだったな〜ここに来るまでの自分、って笑った。好きだと思うなら、触れたいと思うなら、自分から手を伸ばさなきゃ。手を伸ばしたらきっと届く。関ジャニ∞はいつだってどんな私のことだって待っていてくれる。そう思えた。


それが昨年末のこと。そして1月23日、「KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT」最終日、生配信の日。「楽しみに待つような公演じゃない場合配信ライブは見ない」と昨年決めたけど、これはどうしたってそれに当てはまらない。

歌い、踊り、話し、楽器を演奏し、ボケてツッコむ彼らを見て、他のどんなアイドルも「私にとっての関ジャニ∞」の代わりを務めることはできないんだと悟った。彼らよりも歌が上手いアイドルも、ダンスが上手いアイドルも、かわいいアイドルもいる(喋りが上手いアイドルはいないかもしれない)。でもステージに立つ関ジャニ∞を見ることで得られるエネルギーは、ステージに立つ関ジャニ∞を見ることでしか得られない。そしてステージに立つ関ジャニ∞を見ることで得られるエネルギーは、明日以降の私の頑張る力になる。

利己的すぎるかもしれないけど、現場に入る資格なんてそれで全然十分じゃない?

(2022.01.23)

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