『オードリー・タン 自由への手紙』 オードリー・タン 感想

■ Listening:『オードリー・タン 自由への手紙』

台湾ではどのように政治が行われているかについて、コロナ禍以降伝わってくることも多くなった。この本から、それがどのような仕組み・構造になっているのか、どのような考え方のもと行われているのかについて触れることができ、より台湾への興味が大きくなった。

以下に、この本の印象的だった部分をまとめる。

- すでに学校を離れている若い世代への学びのアドバイス


オードリー・タン氏は、すでに学校を離れている若い世代に対してのアドバイスとして、下記のことを挙げている。

  • 学び続けること

  • ともに学ぶ仲間を持つこと

  • 速く学ばなくても良い、その過程を楽しむこと

私自身、学校を離れたとしても学び続けることが大切ということはよく理解しているつもりでいる。しかし、実際にはそれを実行するのが難しいということも、同じぐらいよく体感している。どうしたら学び続けることができるのかということには長らく頭を悩まされてきた。「ともに学ぶ仲間を持つこと」というアドバイスはもっともだと思えたので、ぜひ実践したいと思う。

また、「速く学ばなくても良い、その過程を楽しむこと」についてもよく心に留めておきたい。特に最近は学びたいと思うことが多い。具体例を挙げると、歴史、フェミニズム、ジェンダー、ヒップホップ文化などがそれにあたる。学びたい事柄が多い分、速く学ばなければと気ばかり焦っていたように思う。学ぶことは義務ではない。好きで学ぼうとしているのだから、その分楽しまなければ損だよなあ。

アドバイスは下記記事にて全文掲載されている。


- 相手が何かのカテゴリーに当てはまるから愛するのか?


この本を通してオードリー・タン氏から何度か繰り返された問いであり、強く印象に残ったもの。

個人と個人の間に愛が生まれるのは、相手が何かのカテゴリーに当てはまるからというわけではありません。

『オードリー・タン 自由への手紙』

これは、他人の性的指向について言及することの無益さを改めて突きつける、簡潔ながらも鋭敏な問いだと思う。

上記には、アジアで初めて同性婚の合法化を実現した台湾の事例についても述べられている。


- 外国語を学ぶ意味


当たり前の話ですが、言語は文化に通じていて、より多くの文化に接している人ほど、新しい文化を受け入れやすくなります。つまり、たくさんの言語ができるということは、たくさんの文化を取り入れられるということです。

『オードリー・タン 自由への手紙』

私は韓国のエンタメに興味を持ち、その流れで韓国語を学ぶようになった。将来的にポーランドに住むので、ポーランド語も習得したいと思っている。そうやって、理解できる言語を増やしたいと思うことは、私にとっては自然なことだった。

しかし、それが本当に必要なことか?という疑問が無いではなかった。英語を使うことができれば、多くの人とある程度意思疎通をすることができるだろう。自動翻訳の精度も目に見えて上がっている。そんな中で私が外国語を習得する意味とは?

その答えになってくれるのが、オードリー・タン氏の上記の言葉であると思う。やっぱり私は言語を学びたいな、と思った。


- ピンクのマスクのエピソード


非常に印象的だったピンクのマスクのエピソードについても下記記事で読むことができる。

性別を鮮やかに軽やかに超えていく様子、しかもその主体が政府であることを思うと、やはり少なからず驚いてしまう。


- リンク


この本の大部分が「現代ビジネス」にて公開されている。

(2021.03.03 - 2021.03.07)

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