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【第156回】【コミュニティ向け】地区防災計画づくりで最初に読む資料


質問 地区防災計画づくりに興味を持ったときに最初に読む資料を教えてください。

概要

 ➀地区防災計画づくりの基礎への関心の増加
 ②まずは、内閣府の「地区防災計画ガイドライン」の「概要版」を
 ③「概要版」を理解したら、ガイドライン本体の事例を
 ④具体的なイメージがわいたらモデル地区の事例も参考に
 ➄さらに理解を深めたい方は、地区防災計画学会の「サポーター(連携会員)」へ

解説

➀地区防災計画づくりの基礎への関心の増加

 最近、地区防災計画学会の西澤会長代理(元福岡大学准教授)が内閣府に戻って、地区防災計画について解説する機会が増えたせいか、地区防災計画づくりに関する基礎的な質問が地区防災計画学会にも多数寄せられるようになりました。
 地区防災計画学会は、学術研究団体ですので、研究者等が、多様な著書、論文等を先行研究として分析していますが、以下では、初めて、地区防災計画づくりに関心を持った住民の方向けの資料について、長く地区防災計画づくりを支援してきた本noteの執筆関係者とともに考えてみました。

②まずは、内閣府の「地区防災計画ガイドライン」の「概要版」を

 地区防災計画づくりに関する初心者向けの書籍は、出版社からもいくつか出ていますが、関係者で一致したのは、地区防災計画づくりについての基礎知識がない場合、最初に読むべきなのは、内閣府の「地区防災計画ガイドライン」の概要版ではないかということでした。
 これは、ガイドラインの概要を説明するために作られた簡単なパワーポイントの資料(12頁)ですが、ガイドラインの要点を簡単にまとめてあるので、短時間で地区防災計画制度の理論や全体像を把握するのに最適です。また、他の内閣府から出されている資料や内閣府の説明内容とも整合性がとれています。
 自分で最初から読むのが大変という場合は、最近は、内閣府の担当官が、オンラインの基礎研修会等で15分程度でこの概要の要点を説明したりもするので、できれば、そのような機会をいかしてはどうでしょうか。

 内閣府「地区防災計画ガイドライン(概要)」

③「概要版」を理解したら、ガイドライン本体の事例を

 上記のガイドラインの「概要版」で全体像を把握したら、ガイドライン本体で、事例等を中心に読んでみるのが、いいでしょう。
 ガイドラインは、全体を通読していただくのがお勧めですが、57頁ありますので、最初は、自分のまわりの状況に近い事例、関係の深い解説を選んで読むのがいいでしょう。

内閣府「地区防災計画ガイドライン」 ※本体 

④具体的なイメージがわいたらモデル地区の事例も参考に

 内閣府では、「地区防災計画モデル事業報告」や地区防災計画の実例である「地区防災計画ライブラリ」も公開しています。
 これらも、自分のまわりの状況に近い事例を選んで参考にしていくといいでしょう。
 また、居住されている自治体のほうで、地域特性に応じた良い資料を出していることもありますので、そちらも調べてみるのがお勧めです。

 地区防災計画モデル事業報告
地区防災計画ライブラリ

➄さらに理解を深めたい方は、地区防災計画学会の「サポーター(連携会員)」へ

 上記は、いずれも内閣府のHPに無料で公開されており、最初に地区防災計画に興味を持った段階では、これらを読んで、理解するだけでも十分効果的だと思います。
 ただ、人によっては、結構大変だと思われる場合もあると思いますので、そのような方は、地区防災計画学会の「サポーター(連携会員)」として、いろいろな有識者のお話も聞きながら、少しずつ勉強を積まれるのがおすすめです。
 防災は一朝一夕ではうまくいきません。いざというときに備えて、継続して取り組むことが、重要になります。

 また、自分で上記を理解できた方は、次は、以下の2冊の書籍をぜひ御覧になってみてください。
 これらの書籍は、内閣府の担当官や内閣府の関係委員会に所属する有識者等が書いたもので、著者の大半が、地区防災計画学会の会員です。
 本来、学術研究者や公務員向けの専門書ですが、上記ガイドラインをはじめとする内閣府の資料と整合性のとれたものであり、実際に地区防災計画づくりを行う場合に必要となるノウハウや実例が、豊富に掲載されています。


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