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#01 地方にも必要な「心理的安全性」とは

「心理的安全性」とは?


 心理的安全性と聞いて、都市部にあるブラックな企業に関係することでしょ?地方の小さい企業ではみんな家族のようなもので、心理的安全性なんて考える必要ないでしょ!
と考えられている方に、ぜひ読んでいただきたい。
 心理的安全性を理解すれば、チームのさらなる成長に繋がるかもしれません。

 心理的安全性とは1999年にハーバート・ビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソンが提唱した概念であり、彼女が複数の病院で医療現場におけるミスを調査していた時に偶然心理的安全性の重要性に気づいたと著書で述べています。
 また2012年にGoogleが立ち上げた「プロジェクトアリストテレス」でチームの効果性を高める5つの要因の一つとして挙げられたことで広く知れ渡ることとなりました。


心理的安全性とはどんな概念なのでしょうか?

結論から言えば「健全な衝突が起こりやすい環境」のことです。
心理的安全性が高いと健全な衝突が起こりやすく、心理的安全性が低いと健全な衝突は起こりにくくなります。
 心理的安全性が高いと衝突は起こらないのでは?と思われるかもしれませんが、心理的安全性が高いと衝突は起きやすくなります。
ただし心理的安全性が高い場合に起こる衝突は「健全な衝突」です。

「健全な衝突」とはなんでしょうか?

「健全な衝突が起こりやすい環境」を理解するために「健全な衝突が起こりにくい環境」を考えてみます。

例えば

  1. (意見を求めても)これを言ったら馬鹿だと思われそうだから、言わない。

  2. (ミスをした後)無能だと思われたくないから、ミスを隠す。

  3. (本当はもっと品質上げれるのに)邪魔だと思われたくないから、妥協する。

  4. (イイと思ってないのに)否定的だと思われたくないから、「イイね」しか言わない。

などなど

書きながら、とても耳が痛いです。が、
これら4つだけをみてみても、健全な衝突が起きておらず、チームに不利益なことばかりだということがわかると思います。


1−4を見てみると、下記のような裏の面が見えててくるのではないでしょうか?
1の場合、アイディアや意見が欲しいと言っているのに、意見が出ると馬鹿にする人。と、馬鹿にされてもう何も言いたくなくなる人。
2の場合、ミスを報告したらすぐにキレる人と、それに怯えてバレないことを祈り報告しない人。
3の場合、改善に嫌な顔する人と、嫌な顔されるのが嫌な人。
4の場合、否定的な指摘をされると不機嫌な人と、それが嫌で、イイと思ってないのにイイねと言う人。


誰が悪いというわけではありません。どういう状態がチームとして望ましいのか?ということです。
また、明日から「なんでも言って!!」と言うことで解決することではありません。


心理的安全性とは「健全な衝突が起こりやすい環境」のことです。
どのような環境であれば「健全な衝突」が起こるのでしょうか?
今後、3、4つに分けて書いていきたいと思います。


参考図書


参考図書を載せます。

心理的安全性のつくりかた

チームの心理的安全性についてわかりやすく書かれています。
また、エイミー・C・エドモンドソンが海外で行った研究での心理的安全性の因子を日本版に置き換えられているなど、より身近な例として考えられる良書です。


恐れのない組織―「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす

心理的安全性という概念を提唱したエイミー・C・エドモンドソンが書いた本です。
豊富な事例をもとに、心理的安全性がなぜ重要なのか、心理的安全性の低い会社はどんな失敗を起こしやすいのかなど、より深く知れる良書です。


チームが機能するとはどういうことか──「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

心理的安全性という概念を提唱したエイミー・C・エドモンドソンが書いた本です。
「チーミング」(動的なチームワークの活動)という造語で、長期的なチームだけでなく、即席のチームを機能させるためにどのようにアプローチすれば良いか書いた良書です。


宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

「宇宙兄弟」を例に、4つのリーダーのスタイルと出番をチームの成長段階と合わせて説明されています。わかりやすくリーダー像が分類されており、自分がどのリーダー像に近く、どのようなアプローチでリームを率いることが向いているのかがわかる良書です。
心理的安全性は成長段階の第1ステージ(フォーミング(形成期))に登場します。ページ数は少ないですが、わかりやすくまとめられています。


問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術

高い心理的安全性を担保するためには、「問いかけ」は非常に重要です。問いかけ一つ一つで、相手への印象や引き出される内容は変わってきます。この本は、チームのポテンシャルを引き出す「問いの作法」を学べる良書です。


現実はいつも対話から生まれる

社会構成主義は、心理的安全性を高めるために重要な考え方かもしれません。本書曰く、社会構成主義の考え方は、私たちが「現実だ」と思っていることは全て「社会的に構成されたもの」だそうです。
心理的安全性が低いチームも、心理的安全性が高いチームも、誰か一人の性格のせいでそうなっているわけではなく、社会の中の「対話」から生まれているのです。
より深く心理的安全性を学ぶために、社会構成主義の入門書をぜひ。