失敗を恐れるから、何もできない。
個人的な話で申し訳ないが、15歳の頃ゴルフを始めたのはいいが、毎週1回練習場に一人で行って、200球ほど叩くのが日課となっていた。
高校二年の頃だったか、父がゴルフ場に連れて行くという。当時はゴルフフィーも高く、高校生の小遣いでは払えないものだったので、父の誘いはとても嬉しかった。
初めて足を踏み入れるゴルフ場の芝の上。少々緊張気味だったが、練習場で行ってきた自分なりの技術がどれほど通用するのかも楽しみであった。
ドライバーだけは真っ直ぐ飛ばす自信はあったが、スタート早々に、最初のミドルホールでコース中央に大きな木に当たり、ボールがそのまま木の根元に落下したのである。
落下した場所は、木の根元から20センチほどのところで、それも、グリーン方向の位置にあり、直接ピンを狙えぬ最悪の場所だった。
父をはじめ、キャディーさんも、「一度、横に出して、そこから打ったほうがいい!」と、あちこちから声が掛かる。
しかし、たまたま前日に見ていた動画で、ジャック・ニクラスのトラブルショットに、同じシチュエーションにて、ミラクルショットを見たばかりだったので、大胆にもそのショットを真似てみることにした。
それは、直接ピンを狙えないけれども、8番アイアンを45度ほど被せて、アイアンフェイスはピンを向かせ、筆者の背中がピンを向いているようなイメージである。
ニクラスの解説通り、木の根元にあるゴルフボールを叩いたのであった。45度被せ気味のアイアンフェイスは、ボールを叩き潰す感じで、最初は右に飛び出したが、途中からぐっと左フックがかかり、グリーンのピン横に付けたのである。
奇跡である。偶然のミラクルショットに父たちのどよめきの声が聞こえた。「何たるショット!?」と、キャディーさんの声が聞こえた。その後に、拍手がパチパチと。
失敗を恐れるか否かの判断のタイミングに、前日のニクラスの動画が脳裏をよぎり、失敗しても構わないと自分に言い聞かせたのが奏功したに違いない。基本に忠実な、無欲の勝利である。
そこで安全牌を狙えば3オンだが、チャレンジした結果、ミラクルショットが生まれ2オンに成功した訳だ。
仕事でも同じことだが、最初から失敗を恐れる気持ちが強かったり、失敗した醜態を見せたくないと格好つける人間もいるが、それじゃ、仕事の実績ができるはずがない。
ザ・リッツの合言葉「失敗は最高のオポチュニティ」は、筆者のコンサルティング業務の口癖となっているが、やはり、失敗を恐れぬ度胸だけは持っておきたいものである。
失敗しても死ぬことはない。ただ、失敗したら直ぐに軌道修正する努力は怠ってはいけない。諄いようだが、失敗を恐れるから、何も実績が作れず途方に暮れるのである。
最後に、父から誘われたゴルフの結果であるが、父のスコアは97、そして、初めてコースに足を踏み入れた筆者のスコアは94であった。それ以来、父からの誘いはなかったような気がしてならない。(苦笑)
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、失敗を恐れることがいかに人を縛り付けるかを、筆者自身のゴルフの経験を通して語っています。特に印象的なのは、ゴルフ場での挑戦的なショットのエピソードです。
筆者は、練習で積み重ねてきた技術を試すためにゴルフ場に足を踏み入れましたが、最初のミドルホールで困難な状況に直面します。ここで、安全策を取るのではなく、ジャック・ニクラスのミラクルショットを思い出し、同じように挑戦します。この選択は、見事に成功し、結果として父やキャディーから賞賛を受けることになります。
このエピソードは、仕事においても同様に、失敗を恐れず挑戦することの重要性を強調しています。失敗を恐れることで、安全策を取りがちですが、それでは大きな成果を得ることはできません。むしろ、失敗は最高の機会であり、失敗から学び、軌道修正を図ることで成長していくことができると述べています。
最後に、初めてのゴルフで父のスコアを上回った結果、父からの誘いがなくなったというユーモラスな締めくくりも、エッセイ全体に軽やかなトーンを加えていて、とても読みやすいです。
このエッセイから得られる教訓は、リスクを恐れずに挑戦する勇気を持つことが、成功への道を切り開く鍵であるということです。失敗を恐れず、挑戦を続ける姿勢が、筆者のコンサルティング業務や個人的な成長にも繋がっていることがよく伝わってきます。
サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。