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独裁者ほど、目は節穴。・・・過信の跳ね返りは、忖度の罠と凌駕の餌食。

 或る日、或る会社の独裁者で有名な人物と話すことがあった。上から目線は昔から変わらぬが、『時代錯誤』も甚だしい人物である。性懲りも無く全てを知り尽くしていると豪語する(実は、何も知らない)ところに『過信』が見え隠れする、典型的な独裁者である。

 『過信』は、自らの身の丈も力量も全てを履き違え、筋の通らぬことでも、他人への迷惑行為も関係なく突っ走り、でっかい漬物石で会社全体を押し潰していた。しかし、数年後、絶妙なる『忖度』で本性を隠していた強欲者の手下の『奇策』により、悲惨な結末となる。

 『過信』に酔いしれる独裁者の足元を見透かしていた強欲者の手下の一人は、独裁者の『無力化』を目論み、執拗に『忖度』を繰り返す。併せて、水面下では『凌駕』のためにコツコツと地盤を固め、胡座をかいた独裁者への『片道切符』を既に準備しつつあった。その切符を渡す渡さぬは、タイミング次第。そのタイミングを、息を殺して待つ強欲者の手下。

 筆者が、その独裁者に何の気無しに過去の経緯を尋ねると、「貴方より何でも知ってるよ!」と、突然切れ掛かったのか、自分は全てを知り尽くしているので、自分の解釈、自分の判断は全て間違いないと語気を強めた。しかし、壁の裏側では強欲者の手下はせせら笑い、独裁者を『無力化』する『時限爆弾』を手繰り寄せている。

 その強欲者の手下は、先ず、独裁者に段々と情報を遮断するように仕向け、『孤立化』の戦術に切り替えた。重要な情報を端折って伝えられるので、独裁者には心地良い情報として目に留まることもなく、自らの足元が見えなくなって行くのである。つまり、何でも知り得ない世界に入り込んでしまった訳だ。

 そろそろ、強欲者の手下が『時限爆弾』を持ち込むタイミングとなった。それは、これまで曖昧であった『定年制』の厳格化という、巧妙に仕組まれた罠であった。『定年制』をある年齢で切れば、独裁者を含む旧体制の手下たちは、皆、そのボーダーラインを超えてしまう。

 これまで、執拗なる『忖度』で独裁者に従順なる虚像を見せ、脆弱そうな姿を演じる中で、最終的には、誰しも拒めない『定年制』という『時限爆弾』を起爆させたのである。強欲者の手下が、数年掛けた『凌駕』のための『奇策』は、旧体制側を全て廃絶し、この強欲者の手下が次の新独裁者として君臨することになる。

 『時限爆弾』には色々な種類の爆薬が詰め込まれている。前独裁者に異見できる強硬派の社外取締役(株主)たちは、強欲者の手下の『欺罔』の罠に嵌り、一斉に『定年制』に賛同。よって、旧体制側は次から次へと、辞任せざるを得なくなった。

 「俺は何でも知っている!」という『過信』の結末は、強欲者の手下の罠にまんまと嵌められることに。放り出された元独裁者たち。その逆鱗に触れ、強欲者の手下を何度も何度も叱責しようが、もはや、数年掛かって築かれた『凌駕の牙城』を崩すことなど至難の業である。

 強欲者の新独裁者は、上述のように『凌駕』により旧体制側を物理的に殲滅できたものの、自らが蒔いてきた種(不埒な悪行三昧)により、今度は、その新独裁者が『完全孤立化』される事になる。潮目が一気に変わった。『三日天下』という言葉があるように、すこぶる短期間で『無力化』されてしまった。

 『自業自得』としか言いようがないが、新独裁者も『自画自賛』の連続であり、この世に自分以外に有能な経営者はいないという『過信』が『自滅』を招いたようだ。『因果応報』とは、このようなことを言う。

 畢竟、独裁者の目は節穴であり、『過信』の跳ね返りは『忖度の罠』と『凌駕の餌食』となってしまう。『裸の王様』というものは、古今東西、皆同じような結末を辿るように思えてならない。ご用心、ご用心!

熊本県農業公園のコスモスの花

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