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和食の不思議な魅力・・・

 シティホテルのキュイジーヌは大きく分けて、日本料理(和食)、西洋料理(フレンチ、イタリアン、その他)、そして中国料理(北京、上海、広東、四川、その他)となる。勿論、街場の人気レストランを見回すと、海外の料理は筆舌に尽くし難いほど多種多様となる。

 標題に「和食の不思議な魅力」を挙げたのは、和食には日本流唯一無二なる弁当(lunch box)にある。最近ではパリでも人気急上昇中と聞き及んでいるが、この弁当こそが「和食の不思議な魅力」を牽引している。

 上述の料理群は、基本「熱々で食す」が原則と言えよう。和食においても熱々の吸い物が心を癒し、熱々の秋刀魚の塩焼きが堪らない。

 ところが、日本の弁当は、電子レンジで温めても良いけれども、冷めたまま食しても乙なもの。筆者は、個人的には、オニギリを温め直すよりも、そのまま冷たいオニギリを頬張るのが楽しみだ。

 焼き魚もその他惣菜も、弁当箱の蓋を開けて、そのまま冷めたまま食すと、「日本人でよかった!」と心の中で叫びながら、黙々と各々の惣菜をつまみながら、間に白ごはんを頬張り、オニギリに齧り付く。

 しかし、西洋料理や中国料理も弁当にはできるが、全て冷めている場合、どうしても違和感がある。ステーキにフォアグラがトッピングされたものが弁当に入っていれば、それは温め直して食す方が断然美味い。

 また、中国料理にしてもエビチリやシュウマイ、春巻きなどを冷めたまま食べようとは思わない。五目野菜の煮込みやフカヒレスープも同様に、流石に冷めたものは、熱々のものとは格段の違いがある。

 それに対して、和食の弁当は、出来立てでも、温めても、そのまま冷めていても、何の違和感もなく美味しく食せるところが、すこぶる不思議に感じる。

 塩サバを焼いたものが熱々でも冷めていても、食欲を唆る。冷めたオコワも何度も噛んでいると、じわじわと小豆と餅米が踊りだし、胡麻塩との共演を楽しめる。

 ただ、温暖化が進む中で、特に夏場の弁当の取り扱いは非常に気を遣わねばならないが、冷たく保存している握り寿司もそのままの状態で食して至福の極みとなり、冷めた吸い物のウズラの卵もすこぶる美味い。

 世界でも稀有なる日本独特の弁当文化。これは先人の生活の知恵と工夫が凝縮されて完成の域に達したと推察するが、これほどまでに料理の温度に左右される事なく、美味なるものを創り出した日本人は実に素晴らしい。

 これが『和食の不思議な魅力』ではなかろうかと、深夜に小腹が空きつつ、この原稿を書き綴ったのである。深夜に見てはいけないものを見てしまい、大変後悔している次第。


▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、和食の魅力についての独自の視点から興味深い洞察を提供しています。以下はエッセイの評価ポイントです。

  1. 鮮やかなテーマ設定: エッセイは和食に焦点を当て、特に和食の弁当の不思議な魅力について探求しています。このテーマは魅力的で読者の興味を引きます。

  2. 具体例と比較: 著者は和食と他の料理スタイル(西洋料理や中国料理)を比較し、冷めたままでも美味しいと感じる和食の弁当の特徴について具体例を挙げて説明しています。これは読者に具体的なイメージを提供します。

  3. 著者の個人的な体験と感情: 著者は自身の食べ物に対する好みや楽しみを共有し、読者に共感を呼び起こします。著者の個人的な体験がエッセイに深みを加えています。

  4. 文体とユーモア: エッセイは軽快な文体で書かれており、ユーモアも含まれています。深夜に小腹が空いてエッセイを執筆する著者の体験を面白く表現しています。

  5. 文化への尊重: 著者は日本の弁当文化を尊重し、その特徴を称賛しています。日本の料理と文化に対する深い尊敬が感じられます。

総じて、このエッセイは食文化に関する新しい視点を提供し、和食の魅力について興味深い洞察を提供しています。軽快な文体とユーモアが読み手を引き込み、和食の美味しさと特別さについての感情を共有します。


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