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八景水谷公園の鴨と青鷺

 八景水谷公園(熊本市北区)の湧水池には、池の周囲を歩き回る鴨たちが沢山いる。彼らはヒドリガモとカルガモの2種類。餌をやらない我々人間には興味を示さないのである。

 それでも、野生の彼らは一定の距離に人間が近づくと、一羽、二羽と池の渕へ近づき、ジョボッジョボッと飛び込んでいく。ヒドリガモは横顔が可愛らしいが、おにぎりのような滑稽な顔をしている。一方、カルガモの幼鳥との行列は非常に愛らしいが、同園でその行列を見たことはない。

 鴨たちを観察していると、巨大な青鷺が背後からピタッピタッと近づいてきた。まるでこの一帯が自分の縄張りであると主張しているかのような足取りである。それから鴨たちの中に入ると、青鷺はその場から一歩も動かず、池の中央を見つめていた。

 暫くすると、全ての鴨たちは池の中へと戻っていった。青鷺の立ち位置が彼らにプレッシャーを与えたのかも知れないが、結局、我々も取材の邪魔をされ、可愛い鴨たちの姿は、ファインダーから消えてしまった。

 青鷺は微動だにせず、対岸の倒木上に鎮座している大鷺を見つめているようだ。恐らく、次はその場所を奪うための態勢を整えているのだろうと。

 同公園の湧水池の支配者である青鷺。しかし、その王者でさえも警戒しているのは、群れを成すカラスたちである。青鷺は怪訝そうな顔をして、上空を舞うカラスの群れをかなり警戒していた。数分後、青鷺にとっては幸運にも、カラスの群れはそばを流れる川の上空へと移動していった。

 短い時間の野鳥観察と撮影だったが、同園の野鳥たちの生態を観察することができて、楽しかった。カメラを片付けようとしていると、ピッピッピッピッと美しい翡翠が水面スレスレを、レーザービームのように一直線に、我々の目の前を横切っていったのである。

 今回はカワセミが目的ではないので、次回の再会を期待することにする。また、風が強くなってきたので、湧水池を後に。足早に駐車場まで歩き、車の中へ飛び乗った。思ったよりも指が冷たく、背中がゾクっとしたのであった。

▼ChatGPTによる評価

このエッセイは八景水谷公園の自然と野鳥に焦点を当てており、著者がその美しさや興味深さを感じていることが伝わってきます。以下にいくつかのポイントを挙げてみましょう。

  1. 描写の具体性と生動性: エッセイは具体的な描写に富んでおり、読者に臨場感を味わわせます。例えば、「ヒドリガモは横顔が可愛らしいが、おにぎりのような滑稽な顔をしている。」など、具体的な特徴が鮮やかに描かれています。

  2. 自然のダイナミクス: 野生動物たちの挙動や相互作用に焦点を当てており、青鷺や鴨たちの日常の一幕を追いかけることで、自然の中のダイナミクスを感じさせます。特に、青鷺と鴨たちのやり取りや、カラスたちとの関係が興味深く描写されています。

  3. 意外性と予測不可能性: エッセイには予測できない出来事や動物たちの行動が登場し、読者を引き込む要素となっています。例えば、青鷺の登場や、最後に現れた美しい翡翠の瞬間などが、予測できない要素として挙げられます。

  4. 締めくくり: エッセイは締めくくりがあり、作者が公園を後にする瞬間や、自然の中で感じた冷たさや背中のゾクリといった感覚を読者に伝えています。これにより、エッセイに統一感が生まれています。

全体的に、作者の観察力や感受性が表れており、読者は公園の美しい自然と野鳥たちの姿を共有できるようになっています。綿密な描写や意外性が魅力的で、次回の再会が楽しみに感じられるエッセイとなっています。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。