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父が亡くなった話<8>(終)

気がついたら初七日が過ぎてました。
葬儀の時に四十九日までの繰り越し法要とかやってくれてたので、もういいんだと思って誰も何も気にしていなかった。

あっという間の一週間。
世間的に忌引きのお休みは一週間のようですが、市役所のお悔やみ窓口の予約が取れたのが火曜日だったので、8日目のこの日も滞在です。
つーか職場には、金曜まで休ませてくれって言ってしまった。もちろんそれより前には帰りますが、何が起きてわたしが必要になるか、まだ判らないですから。
新幹線を使っての移動なので、こまめに行き来するととんでもない額になってしまうのですよ。

実家に移動してから、夜はなんとか寝付けるようになってきたんだけど、 朝目が覚めるのがやたら早い。やっぱりいつものペースでは眠れません。
妹たちはちゃんと寝てるので、あまりバタバタはできませんが、できる範囲で一人で片付けてました。
洗面所のシンク下や、納戸、キッチンの吊り戸。義実家に比べれば全然ましなんだけど、ものを捨てられないのは昭和初期生まれのひとの共通の症状なんでしょうか。新しいものを買ったら古いのは捨てればいいと思うんですけどね。

実家に関しては、離婚してから戻ってきたWがちまちま片付けてくれてたんだけど、なにしろ心療内科とお付き合いができるほどのダメージが残っているW本人がどうも混乱してる部分があって、つじつまの合わない片付け方をしている場所がちらちらあるのです。

溜まったビニール袋が、1階と2階で別々に、しかもそれぞれ大量に保管されていたり、
今までの義実家の習慣から抜け出せず、キッチンのストック品をわざわざ廊下のプラケースに保管してたりとか。
靴箱には、もらい物の革靴用のお手入れ品が山のように残っています。昔の銀行は気前が良くて、いろんな小物をくれてました。その名残もあります。靴はある程度処分されてたけど、こうした小物まではみる余裕はなかったようでした。

収納は、使う場所の側が鉄則です。台所の吊り戸の、空いたスペースにストック品を移し、分散していた掃除用洗剤を1カ所にまとめ、使う人が判らないと困るのでつどつどWに報告すると、そのたびに新鮮に喜ばれます。

実家の収納キャパシティ、恐るべし


そうそう、日曜日は、末妹Oが久々に友達に会いに行くというので、気持ちよく送り出し、
午前中はWと二人で父の部屋の押し入れを片付けてました。
27日の日には手を出す暇がなかった押し入れ、壁面のクローゼット、古くから使っているタンス二竿。
いやはや、一軒家はブラックホール並みの収納量ですね。父の部屋は、天袋がないだけまだましなんだけど。

先日の作業で広くしていた畳の上に、ブルーシートを広げ、
わたしは引っ張り出したもののポケットをチェックしつつ、売れそうなもの、売れないけど使えそうなもの、どちらも無理そうなものという基準でざくざくと仕分けていき、Wがダメなものをゴミ袋に詰めていきます。例外として、タオル類だけは掃除に使うためとっておきます。
スーツはポケットが多いので後回し、未使用と思われてもタグがとれた靴下や服は問答無用で不要品。
中途半端に一枚出して、後は袋のまま放置の肌着がやたら多い。
押し入れの衣装ケースには母の服もまだ残っていましたが、小物類も含めて衣装ケースひとつ分までに減らしました。鞄などはちょっといいいブランドのものが多く、状態の良いものは残しておきます。
これとは別に、着物と小物がまだタンス一竿分残ってるんだけど、それは今後の妹に任せて今回は父の部屋に一極集中です。
大量のアルバム類も、今回は整理対象外。箱にまとめて持ち越しです。

画像を公開できないのが残念ですが、たった半日で押し入れ以外の収納はほぼ空になりました。人手があるってありがたいですね。
大量のゴミ袋は、ガレージのあきスペースに移し、少しづつWがごみにだしていきます。

火曜は朝から市役所の予定、片付けもほどほどに三人で「お悔やみ課」を訪ねました。
今はどこの市役所も、一日で効率よく回れるようにこうしたサービスを行ってるようですね。全部記載の戸籍(除籍)謄本、年金の手続き、固定資産税と住民税の精算等。
お昼前にはお悔やみ課の予定内容が終了し、市役所のなかの銀行で葬儀費用を振り込み、ついでにゲットしたばかりの戸籍で銀行に凍結と相続手続きの相談。
といっても、相続に関しては今はどの銀行も手続きは郵送のようで、
必要書類のチェックとともに、親切にも引き落とし先の一覧を作ってくれて、
不明引き落とは一件、それもたぶん介護用品のレンタルだろうということで、凍結されても大きな不安要素はありませんでした。
書類に関しては、それぞれの住所がバラバラで印鑑証明が揃わないので、郵便を併用しての準備になります。

葬儀も、死亡に絡む手続きも、母の時より楽なくらいだったんだけど、
今回は不動産が絡んできます。これはさすがにわたしも初体験で、
まぁ今日明日済ませなければいけないわけではないので、四十九日に再度集まったときまでに、ある程度調べましょうという話になりました。

納骨は終わってるし、繰り越し法要はしてるけど、どうやら四十九日は行うことになりそうで、それに関しては妹たちにお任せです。
父が中途半端に檀家になっているので、それを今後どうするかという話にもなりそうなんですが、どうやら末妹が同じ永代供養を利用する意向のようで、それに備えて相談もするようです。なんにしろ、わたしは引き継がないという話はしています。

とにかく、現地でできることは一区切りとなりました。

今思うと、春先、妹の手術の立ち会いにやってきて、少しの間ですが父との時間が持てたのは、良かったんだなと思います。親孝行のまねごとですけどね。

朝っぱらから全員でクリーンセンターに燃えないゴミを六十キロほど持ち込んで、ちょっとだけ近くを観光し、
帰りの新幹線でこれを打ち込んでいます。
帰ったら、掃除もしなきゃいけないし、暑いだろうし、夫はいるし(何、あまり楽しみでもないんだけど。

追記

家に戻って、予想外に片付いていた部屋を掃除し、少し休むつもりで横になったらそのまま寝てしまい、
何度か目は醒めたものの、トータルで九時間近く眠ってました。
疲れてたんですね…
ていうか関東、熱すぎない?!


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