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隣の芝生はどう見ても青

2021年も始まったばかりの1月。2人の海外に住む友人から婚約したと知らせを受けた。暗いニュースが続く中、なんとも明るい嬉しいニュースを知って、お祝いメッセージを早速送った。

彼女たちは今、それぞれニューヨークとメキシコに住んでいるのだが、ニューヨークに住む彼女は私と入れ違いぐらいにニューヨークへ飛び、メキシコに住む彼女は私と同じ時期にアメリカの中西部で働き、私と同じ時期に実家のメキシコに帰国したと記憶している。
しかも2人とも人生を謳歌して恋愛のれの字も聞かなかったのに、去年の暮れにパートナーと出会ってサクッと婚約したのである。

ここまで読んだ方は、えっ?嫉妬?とか思いそうでもあるが、誠に羨ましいとは思うけれど、嫉妬と言うより、人はどのようにしたらこの人と結婚しようと決めるのかと私は不思議に思っているのだ。

私自身、自慢にもならないが何人かとデートをしたり、先を考えた本命の彼がいたこともある。

例えば考えたことがある彼とはネイティブのアメリカ人。顔は前大統領のTrump似のニューヨーカー。出会いは婚活アプリ。婚活アプリといってもバカにしてはいけない。当時、私が出会えたのは医師や会計士、作家などだったから結構安心して会話やデートを楽しめたのだ。医師に関してはこう言ったアプリは危ない男もいるから気をつけてとアドレスまでしてくれた。
(話しを戻そう)
決してカッコいい部類とは言えない彼だったが他の利用者とは違いお互い広告業の営業職なので出会った時から会話も弾み、しかもいつでもどこでも彼は紳士的で優しいので私はあっという間に胡座をかくまでになっていた。毎週、仕事終わりに食事をし、すっかり私は出会って2ヶ月目には交際する、交際していると思っていたのだ。
2ヶ月目になるある日、ブラジルから友人が家族旅行でニューヨークにやってきたと言うのでランチをすることになった。私は早速、友人に彼ができるかもと伝えて、出会ってから開いてなかった婚活アプリを再度開いてみた。
ん?ん?ん?
いや、いや、いや、、、何でや?と声にも出そうな言葉が頭に浮かんだ。
顔を曇らせた私に友人は、どうしたの?と尋ねてくる。
婚活アプリのトップページの写真が少しイケてる写真に変わっていたのだ。
友人から大事になる前に問題解決をした方がいいと諭された私は、その日の夜に彼を呼び出し聞いてみた。
『私たち、付き合ってるの?』と。
そうしたら彼から返ってきた言葉は、
『僕たちはまだデーティング期間中だろ?』だったのだ。
デーティング期間中?!
なんだそれ!なんだその都合のいいアメリカンルール!と怒りが溢れそうになったが、
『じゃあ、まだ女性を探しているの?』と聞くと
『それを聞いていいのは正式な彼女だけだ』と言われてしまったのだ。
険悪な空気は当たり前のように流れ、悲しみを抱きながら私は思っていることをぶちまけた。
その後、しばらくの冷却期間を設け、お互いの歩み寄りで彼は友人に私のことをフィアンセだと紹介してくれるまでになった。

今ではどれもこれもいい思い出になっているのだけれど、次はもっと彼女たちみたいにサクサクっと前に進みたいと思った。

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