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幸せの陰陽

※2021年2月13日に東北で地震が起こりました。この度の地震により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
今、大変な思いをされていらっしゃる方はお気持ちを乱す箇所があるかもしれませんので、ご判断いただき気持ちが落ち着いた頃に再びお立ち寄りいただければと思っております。


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2019年の暮れに帰国してから生まれた国にいるのに人にも会社にも馴染めず心に蓋をして生きてしまっていた。


アメリカでの社内政治に敗れた私は、それまでの仕事と居場所を失い完全なる行き先迷子。

すっかりやる気を失った私は、世間でコロナの話題が持ち上がったことをいいことに、コロナが、コロナがと言い訳をして部屋に引きこもり、何かに楽しみも、喜びも見いだせず、同じように私自身も自分の殻に閉じこもった。

ただ生きるためにと自分の気持ちを無視して職選びをし、就いた会社で上司の不平不満と同僚のマウントを毎日聞く。

心も開かず、開けず。

2020年も残り1か月と言うところ、ついに私の身体は悲鳴をあげた。
それまでアレルギーや耳鳴りはしょっちゅうだったのだが、とうとう息を吸おうと思えば布で首を締められたかのように喉がしまり、胸が強烈に痛み、仕事どころではなくなっていた。

もうだめだ、自分のために辞めよう。
そう決めた。
初めての弱音だ。

ただ、そう決めたとたんに色々な名の知れた企業から面白そうなポジションでのオファーが来るようになった。
また新たな挑戦が始まった。

それが私の2020年。

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2021年になり、ただ歩くのが好きな私は急に思い立って少しだけ足を延ばして鎌倉を歩いてみた。
鶴岡八幡宮〜銭洗弁財天まで歩き、そこから鎌倉の大仏までの2.1kmの山道を歩き、さらに由比ヶ浜の海岸を目指して何も考えずに本能のままに歩く。

海が見えた瞬間にトンネルを抜けたような気持ちになる。
遠くに見えるヨットや浜辺で遊ぶ子供たちを確認しては生きていることに感動を覚え、出会ってきた人、物、出来事に生かされていると感謝が湧いてきた。
勝手に辛いと思い込んでいる私に、優しく接して心配し支えてくれる家族、こまめに連絡をくれ話しを聞いてくれる友人、今住んでいる家、山から海までも歩ける健康な体、今までの大好きなアメリカでの生活や仕事、好きだと言うことも忘れていて歩いている途中にしらす丼を見つけ食べられたと言うことにも。

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そして今日本にいるから日本の良いところを知ることができたということも。

このコロナ禍という期間だからこそ内面を見つめられる時間を与えられ、周りの有難さに心から気づくことができた。
今までの忙しく騒がしい生活だったら絶対に恵まれていることに気づくことは出来なかった。


そして、13日の地震。
家族、国内外の友人達が心配をしてくれ、それぞれに連絡をくれた。
愛だ。
地震があったことで、また私は愛を受けとることができている。
私は本当に幸せなんだ、幸せ者だ。

全てに感謝しかない。

まだ私は新たな道の挑戦をしているのだが愛のおかげで毎日心は安定しているし、人生もうまく回っている。

だから、これからは受け取った愛のように私も愛を与えていこうと思う。


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