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酒徒の履歴書⑥ - 山東・白酒デスロード

今回から社会人篇です。なんとなく就職活動を始めて、なんとなく社会人になった僕。新入社員時代は中国とは縁が薄い仕事をする一方、香港や台湾に弾丸旅行したり、棚ぼた出張で白酒と仲良くなったりしていきます。

雌伏篇1(二十代前半)

僕が就職活動をしたのは、1990年代末のいわゆる就職氷河期だった。史学科の同級生は大学院へ進む者も多かったが、僕は、自分が中国史の研究で喰っていけるイメージを持てなかった。それに、もし研究の道に進んでも、その先に中国で暮らす生活は待っていなさそうな気がした。

なんとなく就職活動を始めたので、方針はブレブレだった。食べることが好きという安直な理由で色々な食品メーカーを受けたが、よく考えたら、自分はマスプロダクトに思い入れがなかった。自分が好きな食の分野で、思い入れがないものを売っていくのはつらそうだなと考え、途中で全部やめた。

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